難聴・耳鳴り【芦屋・西宮 鍼灸香春】

難聴・耳鳴り

 

東洋医学の難聴・耳鳴りチェックシート

ストレスタイプ

❑ 耳鳴り雷や鐘のような音、キーンという高音

❑ 耳を押さえると悪化

❑ イライラする

❑ 高血圧、不眠、のぼせ、口が渇く、便秘など

❑ せっかち、肩こり

風邪タイプ

❑ 耳が塞がった感じ

❑ 発熱してから悪化

❑ 耳痛、中耳炎、頭痛、咽喉痛、皮膚炎など

❑ 急に発症した

❑ 程度がひどい

胃腸不調タイプ

❑ ザーザーとした音

❑ 症状が慢性的

❑ 不眠、メマイ、下痢、浮腫、動悸など

❑ 疲れると悪化、休憩すると改善

❑ 怠い、疲れやすい、脱毛など

加齢タイプ

❑ セミが鳴くような音

❑ 静かな所が気になる

❑ 耳を押さえると改善

❑ 物忘れ、睡眠が浅い、排尿障害、足腰の冷えやダルさなど

❑ 疲れる、夕方に悪化

老廃物タイプ

❑ 耳が塞がった感じ

❑ 頭が重い、浮腫み、食欲不振、軟便、身体が怠いなど

❑ グルグルするメマイ

❑ 胃腸が悪い

❑ 雨天に悪化

ストレスタイプ

 自律神経のトラブルが主となる耳鳴り・難聴

です。ストレスや高血圧が遠因となっています。

 東洋医学的には『肝』の病になります。

 雷や鐘が鳴るような音がするのが特徴です。

 病理的には不規則な生活やイライラで発生した

“虚熱”が耳へ上って発症するのですが、同時に

逆上せや不眠肩こり便秘、口渇などがあり、

性格的にはせっかちな方が多いです。

 当然ストレス処理を施術の中心にしますが、

派生的に胃腸不良を誘発したり、根本原因に

加齢があったりすることもあるので、施術方法や

漢方が異なることもあります。

【漢方薬】

竜胆瀉肝湯、加味逍遥散、抑肝散、柴胡加竜骨牡蠣湯

風邪タイプ

 風邪をポイントとして発症したり、悪化したり

する耳鳴り・難聴です。そのため、急に発症する

という特徴があります。原因は発熱です。

 東洋医学的には『風熱』という病になります。

 耳が塞がったような、耳閉感があります。

 風邪の熱が耳に上って発症しますが、ベースに

中耳炎などがあることが多く、その炎症処置を

見据えて施術します。

 風邪症状を併発していることが多く、頭痛、

発熱、喉の痛みなどが見られます。

 まずは風邪を治しきる所から、施術をします。

【漢方薬】

銀翹散、荊芥連翹湯、防風通聖散

胃腸不調タイプ

 胃腸が弱く、飲食物からエネルギーが作り出せ

ないために起こっている耳鳴り・難聴です。

 東洋医学的には『脾胃虚弱』といわれます。

 ざーざーとした音が特徴です。

 ベースに虚弱体質があるため、症状の程度は

小さくても、慢性化していることが多いです。

 そのため症状も、倦怠感や食欲不振、メマイ、

脱毛、眼精疲労手足の冷え、頭がぼーっとする

など栄養不足に由来するものが多く、疲れると

悪化します。逆に休息をとると改善します。

 施術は胃腸の処置により、身体に栄養を届け、

水分代謝を高めることがメインになります。

【漢方薬】

十全大補湯補中益気湯小建中湯、益気聡明湯

加齢タイプ

 加齢により生命の根源の“腎”が弱ってきたために起こる耳鳴り・難聴です。

 東洋医学的には『腎虚』『腎精不足』に分類されます。

 “腎”は冷えから身体を守り、熱を持ちやすい“心”をクールダウンさせると

いう、相反した働きをします。人間はこの腎の“精”というエネルギーを消費して

生きているんですが、この腎と精が弱体化すると、冷えのぼせや物忘れ、睡眠が

浅くなり、トイレが近くなり、足腰が冷えてダルく痛み、耳が遠くなります。

 症状はセミが鳴くような音を特徴とし、耳を押さえると楽になります。

疲労したり、静かな場所で悪化します。

 高齢の方のみならず、生まれつき虚弱体質の方も該当することがあります。

【漢方薬】

六味地黄丸、八味地黄丸、杞菊地黄丸、滋腎通耳湯

老廃物タイプ

 主に飲食物の消化や新陳代謝の過程で生まれる副産物です。大小便なども

そうですが、痰などの余計な水分、動きを失った血液や体液などが該当します。

 東洋医学的には『痰飲』『痰濁』と呼ばれます。

 本来、老廃物は汗や大小便として排泄されるようになっていますが、これらが

痞えてしまうと、病となります。簡単にいうと代謝や循環の不調です。

 循環に道筋をつけることが施術の主目的ですが、その際に発汗や排泄を促す

ことになります。昔は嘔吐させたりもしていましたが、現代では適しませんね。

 身体や頭が重ダルく、グルグルとしたメマイがあります。メニエルなどです。

食欲不振軟便があり、天気が悪い時に悪化します。胃腸の調子も悪いです。

 耳が塞がったような感じ(耳閉感)を特徴にします。

【漢方薬】

苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯、温胆湯

難聴・耳鳴り

西洋医学的原因としては大まかに、

①.中耳炎などによる耳の器質的原因

②.神経などの機能低下による機能的原因

があります。①を伝音声難聴、②を感音性難聴といいます。

簡単にいうと、①は炎症により、通路が狭まって音が伝わらなくなってしまっている状態です。

②は音を感じる神経の能力が低下して、音が聞こえない状態ですね。

 

難聴・耳鳴りの原因

 ではなぜ、難聴や耳鳴は発生するのでしょうか。

 解剖学的には、左図にある蝸牛のリンパ液が交換できていないことがその原因であると

考えられます。順番に見ていきましょう。

 

 ①の場合は、炎症や鼓膜の破損ですので、相応の原因が考えられます。しかし②の

神経の不具合の場合、本質的な原因が不明であるケースもみられます。

 直接的な原因としては、1つは加齢による神経や器官の老化、機能低下による場合。

2つにはストレスなどによる血流低下や水分代謝の低下が原因となっている場合です。

 そしてもう1つ、③として心因性の場合があります。

これは少し特殊なケースですが、要するに無視しているわけです。器質、機能としては

全く問題がないにもかかわらず、無意識的に音を認識することを拒んでいる状態です。

 

難聴・耳鳴りの鍼灸治療

 東洋医学的にはどうでしょうか。

 ①の場合は、物理的な原因なので西洋医学と大差がありません。鼓膜の破損には鍼灸は不適ですし、

中耳炎ならば基本は病院対応ですが、鍼灸でも炎症処置を行います。

 ②の場合は老化が主な原因になりがちです。「腎」の機能が低下して水分代謝が悪くなり、その結果、

虚熱(廃熱)による炎症が発生している状態です。鍼灸で若返れるわけではないので、老化そのものには

効果がなくとも、耳鳴を抑えることはできます。

 また、ストレス由来のケースなら鍼灸がかなりお役に立てると思います。どんな疾患でもストレスは

ある程度関与しますが、鍼灸や漢方がそれらの疾患に有効なのは、ストレス処理が得意なためです。

 ストレスというと精神的なイメージがありますが、長時間のPC仕事やスマホ操作、読書なども一種の

ストレスと考えられます。筋肉に過剰な負荷がかかっているわけです。

 

 ③の心因性の場合なら、当院では漢方指導が主になります。鍼で身体の不調を克服しても、効果が

心(ココロ)にまで効果を及ぼすには少し時間がかかるので、漢方を併用するのが効率がよいのです。

 具体的な鍼灸施術については、①~③の場合でいろいろと異なるんですが、上の横顔の絵のようなツボを

主として用いる点は共通しています。

 ただ、難聴・耳鳴の方は耳の周囲(側頭~後頭~顎部~頚部~鎖骨)の緊張が強い人が多く、指で押すと

きりっとした痛みを感じます。これを緩めてあげることがポイントで、すっと楽になります。このケースの

時は頭痛や肩こりを一緒に発症していることが多いです。

 音は耳の奥にある蝸牛というカタツムリ状の器官で知覚し、脳へと伝えます。この蝸牛はリンパ液で満た

されているのですが、ストレスなどで血流や水分代謝が低下するとリンパ液が交換できず、蝸牛が機能不全

を起こすと考えられます。

 この時、耳の周囲が緊張していると、更に血流や水分代謝の低下を招き、難聴・耳鳴の遠因となります。

この側頭部から耳周囲、首肩の緊張を鍼と温灸で緩めると聞こえ方がよくなります。耳の中を温めるのは

もちろん、耳のすぐ後ろのへこみへ知熱灸をすると耳の詰まったような感じがぽんっと取れたりします。

耳の周囲が暖まって血流がよくなっているわけです。

 あとは肩こりや背中のコリを感じている方が多いのも特徴です。多くは姿勢不良によって頚や背中の筋肉が

過緊張してしまっているケースです。他にも睡眠中の噛みしめ、歯軋りも理由になります。顎や頚の咬筋や

胸鎖乳突筋の緊張ですね。これらの筋肉の硬直によって血液の循環、水分代謝が邪魔されているわけです。

 これも鍼灸と吸い玉で筋肉を直接緩めるのが効果的です。

 通院が難しい方の場合は、これらのポイントを温めて優しくマッサージしてみてもよいでしょう。

 

難聴・耳鳴りのその後

 耳鳴や難聴は一過性のものならばさした問題にもなりませんが、外耳道炎や中耳炎などが習慣性になって

いる場合はやはり治療が必要です。

 老化やストレス、心因性の場合は一旦よくなっても、根本的な原因が耳自体にあるわけではないので、

加齢や再度のストレスなどによって再発するリスクがあります。そのため定期的な通院や漢方による

養生をお勧めしています。

 再発を予見するのは難しいことですが、もしかして、もしかすると、と思ったタイミングくらいで来院

していただくのが、結果的には負担の軽減につながります。

 難聴や耳鳴りは鍼灸・漢方の適用範囲の場合が多く見受けられますので、是非一度ご相談ください。

              芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

 

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