腰痛・ぎっくり腰【芦屋・西宮 鍼灸香春】
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腰痛・ぎっくり腰
腰痛・ぎっくり腰
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腰痛、ぎっくり腰の痛みは詰まる所が炎症によるものなわけですが、その原因は
ブラジキニンやプロスタグランジンといった発痛物質よるものです。これらの発痛物質は
物質は受傷してから約3日は増殖し続けるため、必ず今日よりは明日、明日よりは明後日
の方が痛みはひどくなります。
ピークに達した痛みは2~3日は継続するため、この一週間ほどが最もつらい期間と
なります。ここから徐々に発痛物質が減ってゆくため、それにつれて痛みもマシになって
ゆきます。受傷の程度にもよりますが、放置していれば約1か月で痛みは治まります。
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鍼灸施術は発痛物質の発生を緩和し、炎症の拡大を抑制することが目的です。特に最初の3日間に詰め
て施術しておくことで、本来は痛みが10⇒20⇒30と悪化するのに対し、10⇒15⇒20と抑制することが
できます。よく誤解されるのですが、慢性ならばともかく、急性の場合は最初の3日間は必ず痛みが悪化
します。この痛みの天井を低くして、4日目から発痛物質の掃除を手助けをするのが鍼灸施術です。
日に日によくなるというのは4日目以降のことで、順当にいけば2週間くらいで日常生活に戻れます。
腰痛・ぎっくり腰の原因
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いくつかありますので、主だったところを書いてみます。
実は原因より、その誘発因子の方が問題だったりしますが、まずは順序通りに。
①.椎間板ヘルニア(左図参照)
②.筋膜の炎症
③.筋肉の過緊張や挫傷
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④.すべり症(左図参照)、脊柱管狭窄症
⑤.神経痛
⑥.ストレスなどの心因性のもの
⑦.骨折や打撲によるもの
主な直接原因はこんなところでしょうか。
見ていただければわかるように、痛みの原因は神経、筋肉、精神の3つに分類できるといえます。
腰痛・ぎっくり腰の誘発因子
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順番が違いますが、まず⑥の心因性の場合、いわゆるストレスが誘発因子になります。人間の痛みは
脳で知覚されますが、10の痛みを10として感じているわけではなく、側坐核という脳のパーツが脳内
物質を分泌して、痛みを和らげてから知覚させています。10の痛みを3くらいにして感じているわけです。
ところがこの側坐核はストレスに弱く、過度のストレス環境下におかれると十分に機能できず、痛みを
軽減して感じさせる機能が低下し、必要以上に痛いと感じてしまいます。
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また、腰部は背骨1本で身体を支えています。それを腰回りの筋肉で補強しているだけなので、構造的
に筋肉への負担が大きくなります。そうして②や③の炎症、過緊張を誘発して腰痛を発症します。特に
猫背の人などは、上半身の重みを腰の筋肉で引っ張ってバランスを保つことになるので、腰やその周囲の
筋膜炎や挫傷を引き起こしやすくなります。
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他に骨や脂肪、筋肉の過緊張などによって神経が圧迫され、痛みや痺れを感じる場合もあります。
①のヘルニアや⑤の神経痛が該当します。これらの遠因として⑦の骨折や打撲があることも考えられます
が、肥満などでお腹の重量に引っ張られて④のすべり症を起こすケースもあります。過度の便秘によって
お腹が膨らんで神経を圧迫する場合や内臓の不調による場合もあります。特に遊走腎などの腎臓の異常
を腰痛と訴える方もいます。この場合、鍼灸院では確定診断ができないので、あまりに改善が見られない
時は病院での検査をお勧めしています。対処としては、結合組織の弱体が原因ですので『補中益気湯』
などを鍼灸施術に加え、運動指導を併用することで改善できます。
派生する症状として坐骨神経痛などがありますが、腰痛を基本症状としていることがよくあります。
腰痛・ぎっくり腰の鍼灸治療
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腰痛は確かに困難な疾患ですが、実はその痛みは鍼灸で対処可能です。
筋膜炎や挫傷など原因が筋肉にある場合は、特定の動きに対応して痛みが出ます。例えば前屈で痛む
とか、後屈ができないとか。このような場合は膝や足首、腕や肩、肩甲部への鍼灸が有効です。腰部に
係わる筋肉は意外と現場から離れた所に出発点があるので、腰だけをマッサージしたり、鍼を打ったり、
温めても効果が薄いのです。筋肉への施術で可動域を改善させると、生活はかなり楽になります。
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それ以外にも、左図のような座り方をする猫背タイプの方の腰痛は、腰を後ろへ突き出したへっぴり腰
のような姿勢をしていると思います。これは骨盤内の大腰筋や腸骨筋が緊張して腰が伸ばせなくなっている
ための腰痛です。仰向けに寝るのが辛く、膝を曲げて寝ていたりします。
この場合、長めの鍼(2~3寸)をお腹側から腸骨筋を狙って下の図のように腰骨に沿わせて深く刺鍼
します。ツボでいうと『五枢』や『維道』になります。
また背中側から、やはり長い鍼で大腰筋を狙って深く刺鍼します。加えて、自然と腰に手を当てた時に
ポッコリした腰骨に触れると思いますが、この周囲が腰痛治療のポイントになります。
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問題が筋肉ではなく、すべり症や狭窄症で神経が圧迫されている場合は時間が掛かります。漢方医学は
すべり症自体を治すことには不向きですので、神経の興奮を治める処置を施します。
どこで神経が圧迫されているかによってポイントは変わりますが、骨が歪んで圧迫しているので、その
歪みを矯正するように筋肉を緩めたり、逆に緊張させたりして痛みや痺れを誘発しないように誘導します。
このケースでは坐骨神経痛などが派生している場合がありますが、詳細はまた別の機会に紹介します。
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その他で症候によらずよく使うのは、腰の湾曲を見て、最も湾曲している所とその両脇へ刺鍼します。
加えて、大抵は頚が回りにくくなっているので『天柱』『風池』『百労』などのツボを使います。これと
腰部、仙骨部の腱膜への浅い刺鍼で大体はよくなるんですが、まだ少し痛みが残るようであれば、最も
気になっている所へとどめの一撃を刺鍼しています。これ以上やると後でかえって痛むことがあります。
特に首と腰の腱膜の調整はやるとやらないでは大違いに結果、予後が違ってきます。
腰痛・ぎっくり腰の東洋医学的理解
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腰痛のような運動器の疾患に対しては、どうしても筋肉や神経への施術がメインとなりがちです。
しかし、あなたの身体が腰痛を発生させる状態になった本質的原因に対するアプローチを行うことで、
治療効率向上、再発の予防が可能になります。これを漢方医学では「本治法(ホンチホウ)」といいます。
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「本治法」でいうと、ぎっくり腰は主に肝虚証で発症します。肝虚証とは筋肉に対して運動するのに
十分な血液供給ができていない状態をいいます。施術としては「血(ケツ)」を補います。血(ケツ)とは
いわゆる血液ではなく、そのエネルギーや循環くらいに思っていただくとよいと思います。
逆に慢性的な痛みや力が入らない場合はその多くを腎虚証として施術しています。主に加齢による場合
が多いので、身体に活力を取り戻すイメージです。
脾虚証の腰痛は、痛いというより重だるく、梅雨時や雨の日に悪化します。湿気によるものなので、
利尿を促すよう、腰からふくらはぎへのアプローチをしています。体質的に水太りや浮腫のある方が多く、
また食後に水っぽい痰が絡んだりします。
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他にも性交渉過多や立ち仕事などの疲労が蓄積したもの、瘀血が原因となる場合、胃腸の調子が悪い
場合、風邪を引いた後の腰痛などもあります。すべて施術方法、漢方処方が異なります。
漢方医学では、これらを「証(ショウ)」として鑑別し、治療方針を定めます。この「証」に随った施術が
「本治法」であり、西洋医学にはない、東洋医学独自の考え方です。
腰痛・ぎっくり腰の漢方薬
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足腰の冷えが強く、冷えると腰痛を起こすなら『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』や『苓姜朮甘湯』がよい
でしょう。加えて便秘もあるようなら『大黄附子湯』になります。冷えがそこまでひどくないなら
『当帰建中湯』をおすすめすることもあります。
疲れると腰が痛む方なら『小建中湯』『十全大補湯』がよく効くと思います。
腰の筋肉が強く緊張しているだけなら『芍薬甘草湯』、加えて首から肩や背中の筋肉も緊張している
なら『葛根湯』がおすすめです。
腰痛・ぎっくり腰のその後
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← なかなかこうはなりませんが…。
腰痛は、まずあなたの身体にエネルギー不足や加齢、疲労、冷えや湿気、瘀血といった本質的な原因が
あり、そこに筋力の低下や酷使、ストレス、栄養不良、外傷などが加わって、筋肉や神経、精神の不調を
発生させることで発症します。
一旦腰痛が発生すると、ぎっくりなどの急性症状なら、とにかく最初の1週間に詰めて処置することが
重要になります。これで痛みはおおよそ一区切りでき、なんとか日常生活に戻れると思います。
その後は通院回数を減らし、元に戻れるのはおよそ2週間くらいでしょうか。それから2回ほど予後を
診せていただいて終了になります。個人差はありますが、合計3週間ほどです。
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慢性腰痛の方は、週1回程度の通院で軽いストレッチの指導、漢方養生を含めて施術しています。慢性の
期間にもよりますが、焦らずに3か月ほどのスパンでお考え下さい。
すべり症や狭窄症で神経痛が絡む場合は、長期戦になります。坐骨神経痛も同様ですが、週1回で粘り
強く施術する必要があります。症状が激しいからと長期になるわけではなく、症状が軽くてもすぐ治ると
いうものでもないというのが特徴です。
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メンタルが原因となっている場合は、鍼灸に加えて漢方指導をさせていただいています。
特に頚部~腰背部への温灸は効果的です。この場合も週1回ほどの通院をお願いしています。
ただ、精神が原因となっている腰痛は、施術効果も出やすいのですが、ふとした拍子に再発してしまう
ため、一喜一憂せずに気楽に通院していただくのがよい結果につながります。
芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】
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