膝の痛み(変形性膝関節症・O脚・大腿膝蓋関節炎)【西宮・芦屋 鍼灸香春】

膝の痛み(変形性膝関節症・O脚)

 

 

膝の痛み(変形性膝関節症・O脚)

 膝は負担がかかりやすく、また痛めやすい部位でもあります。そのためでしょうか、鍼灸のツボも膝の

周囲には特に数多く配置されています。

 そこで今回は特にご相談をいただくことの多い「変形性膝関節症」と、変形性膝関節症によく間違われ

「大腿膝蓋関節炎」について、以下にご説明したいと思います。

 膝の腫れや変形のない痛み、膝に力が入らず、曲げ伸ばしできないなどは【こちら】で解説しています。

 

【変形性膝関節症の原因】

 変形性膝関節症の原因と確定できる要素は、実は現在はまだ不明です。

ただ発症因子は判明していて、女性ホルモンのエストロゲンが関与すること

から、閉経後の女性に多く見られます。また、体重の負担が要因になるため

筋肉の少ない女性は、一般的に好発対象になります。その意味で肥満も重要

要因になりますし、血流低下も一因として考えることができると思います。

 つまり、体重を筋肉が支えられなくなると、膝の骨が直接にぶつかって擦れてしまい、

軟骨が消耗されて痛みが出ます。軟骨はエストロゲンによって再生されるのですが、その

エストロゲンの分泌量が低下しているため修復が間に合わず、炎症が拡大してしまいます。

炎症反応は仮骨形成を促進する、つまり骨を変形させ、更に痛みがひどくなることになり

ます。この際、「O脚」「X脚」などの素因があるとより悪化しやすくなります。骨に

角度がついてしまうため、膝の内側か外側に荷重がかかりやすくなり、悪化するのです。

 

【大腿膝蓋関節炎の原因】

 変形性膝関節症は太ももの大腿骨と下肢の脛骨(向こう脛)で構成される関節に発症しましたが、

大腿膝蓋関節炎の方は大腿骨と膝蓋骨(膝の皿)で構成される関節に発症します。

 こちらも筋力低下やO脚などが原因になるんですが、太ももの筋肉(大腿四頭筋)の過剰緊張

よっても発症しているのをよく見かけます。変形性膝関節症の場合は特に荷重時に痛みますが、

大腿膝蓋関節炎の場合は特に膝を曲げ伸ばしするのが辛いという方が多くみられます。

 原因となる大腿四頭筋は、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大腿直筋の4本の筋肉の総称なんですが、

左の図のように膝蓋骨を経由して脛骨に着きます。あ、青い矢印とかは無視してください。

 そのため、この4本の筋肉のどれかに過剰な緊張があるとバランスが崩れて膝蓋骨が引っ張られてしまい

ます。このような状態で膝の曲げ伸ばしを行うと、膝の皿と大腿骨が擦れて炎症を起こすことになります。

理屈自体はO脚でも同じですね。足がO字に曲がっているため、膝蓋骨の位置異常が発生しています。

変形性膝関節症・大腿膝蓋関節炎の鍼灸治療

 変形性膝関節症は骨棘などが形成されて変形しているので、これを元通りにするというのは不可能です。

しかし、元に戻せなくとも対策はある。それが東洋医学の強みです。

 つまり炎症の処置による痛み対策です。これも全て無くすというわけにはなかなかいきませんが、

当院の場合、21例中11例で日常生活が楽になる程度まで回復させることが可能でした。マシになったと

いう程度までを含めるなら計15例でした。凡そ7割くらいの方にはなにかしらの効果があるといえます。

 大腿膝蓋関節炎の場合は37例中31例が改善できています。改善できなかった6例もスポーツをしている

学生などが対象のため、継続的に酷使していることが不改善原因になっていたと思われます。

 O脚などの悪化素因がある場合は、だいたい股関節のトラブルが絡んでいます。また、O脚を退治する際に

猫背の処置をしなければならないということが多々あります。このような場合、下半身に栄養を供給する

腸骨動脈が圧迫されていることも多いため、炎症の回復が遅れているというケースがあります。もちろん

足首のケガや関節の不全によってO脚が誘発されていることもあります。

 これらのケースを総合的に判断する必要があります。加えて炎症部位への施術も必要です。

 局所的施術では、関節部への刺鍼も重要ですが、それよりも炎症処置で効果を発揮するのが、左の写真の

知熱灸(チネツキュウ)です。小指の先ほどの大きさなんですが、じわっと汗をにじませる程度で引き上げます。

ただし、一般的な透熱灸などは炎症を悪化させることがあるので行いません。

 炎症がひどい時は刺絡をして吸い玉で瀉血するということもあります。非常に効果の高い施術です。

あとは関節裂隙部への刺鍼をすることがあります。ずーんとした響きがあり、痛みが楽になります。

 他には血液循環を高めるために膝の周辺を温灸で温めるのも重要です。

 【当院でよく使うツボ】

 「五枢」「維道」で骨盤位置と腸骨動脈の血流改善、「環跳」で股関節を調整、「脾関」で大腿四頭筋を

調整します。この辺りにはツボ配置が少ないので、ツボ名は目安です。

 「伏兎」「梁丘」「血海」は大腿四頭筋のツボとして有名ですが、当院では膝疾患には大腿の硬結部への

深刺がよく効いています。四頭筋のスライドが悪くなることが滑膜組織の炎症に関与すると考えられます。

 膝蓋骨の左右直下にある「膝眼」大腿膝蓋関節炎には特に有効です。かなり深く刺します。他にも

曲泉」「陰陵泉」「陽陵泉」「足三里なども多用しますが、それぞれ対応する筋肉が違うので、そこを

見極めて使い分けています。ただ「委中」の深刺は太めの鍼でほぼ必ず行います。太ももの裏面にある筋肉

(ハムストリングス)やふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)を大いに緩めることができます。これに陰谷

「崑崙」「太谿」「承筋」などを混ぜて使うと効果的です。

 足関節の処置には丘墟」「商丘」「解谿などを用いて、位置調整をしています。

変形性膝関節症・大腿膝蓋関節炎の自宅ケア

 炎症を悪化させないため正座をしない、飛び跳ねないなどがよくいわれます。加えて血液循環をよく

するため温めるのがよいとされますが、温める時は炎症部(痛いところ)は避けた方がよいでしょう。

炎症が悪化することがあります。温めるなら膝の上や内太腿、ふくらはぎや足首など、冷えている所が

よいと思われます。

 また、太ももを両手で優しく掴み、左右に捻ってください。リスクのないストレッチになります。

また、左の図にある上前腸骨棘の直下を親指や拳で軽く圧迫してください。このようにして大腿四頭筋

を緩めてから膝蓋骨を両手で包み、円を描くように動かしてください。実際に膝蓋骨を動かす必要は

ありません。周囲の筋腱に緩みが出ればよいでしょう。特に大腿膝蓋関節炎に有効です。

 筋力低下も発生要因になりますので、左の図のような運動を行ってみてください。

座るのがしんどいなら、寝たままで足を上げるというのもよいのですが、腰を悪く

することがありますので、気をつけて行って下さい。

 足上げ運動は上に紹介した太ももストレッチを交互に行うとより効果的です。

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

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