『曲泉(きょくせん)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】
【肝経合穴。膝を曲げた時にできる膝窩横紋の内側端の陥凹部に取穴】
「合穴(ゴウケツ)」は五行でいうと水の属性を持ち、腎と関係の深いツボです。また、肝や肝経というのは、
筋肉や身体のスジ、血液を司ります。司るというのは「グループを代表する」くらいの意味と思って下さい。
これらのうちの血液は、東洋医学上では食べ物を消化吸収したエネルギー(営気)と水分(津液)から
作られるとされます。そしてその水分は腎が主ります。
つまり「血液を司る肝」と「水を司る腎」は血液を作るにあたって重要な協力関係にあるといえるのです。
その意味で本穴『曲泉』は非常に重要なツボです。例えば血液にまつわる疾患(貧血や不妊、生理不順)に
対して、腎経の『陰谷』とセットで使ったりします。血虚によって筋肉の動きが悪い、痛むというような場合
にも適用されますし、他にも股間が蒸れるという症状にも『蠡溝』と併せてよく効きます。
また、停滞して生理的役割を果たさなくなった血液を「瘀血(オケツ)」といいますが、この瘀血が強い場合
は『曲泉』や『水泉』を圧迫するときりっと痛んだりします。
貧血や不妊に悩んでいる方は『曲泉』『陰谷』『血海』が集まる膝の内側を温めて
マッサージしてみるとよいでしょう。この三穴で曲泉=肝経(血液)、陰谷=腎経(津液)、
血海=脾経(消化器)を網羅できるので、『三陰交』と同様の効果が期待できます。
『三陰交』は婦人科疾患の名穴といわれもしますが、人によっては却ってよくない場合もあります。効果が
ないだけではなく、悪化したりもします。当院では、そのような方に本穴を用いて代用したりもしています。
婦人科疾患は日々の養生が重要になりますので、温灸やマッサージでケアをすることも、効果的です。
【主治・効能】
・流行性感冒、発狂、神経性心悸亢進症、大腿部内側神経痛・痙攣麻痺、赤痢、膝関節炎で屈伸不能、腸疝痛、
痔疾、遺精、陰門掻痒、子宮充血で下腹腫脹
・下腹部腫痛、疝気、股関節周囲の痛み、遺精、インポテンツ、陰茎痛、小便不利、尿閉、陰部掻痒、癥瘕、
月経不順、子宮脱、膝痛
・失精、疝癖、少腹腫脹、外生殖器の諸病、鼻血、風癆、かすみ眼
・肝疾患。感冒時に発汗を促す。発狂、神経性心悸亢進、腸疝痛、痔疾、遺精、陰門掻痒、月経不順、膀胱炎、
尿道炎、淋疾、腹膜炎、膝関節症。子宮充血して下腹が腫脹した場合に圧迫して下肢内側に響く者
・膝関節痛、子宮下垂
(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『鍼灸経穴名の解説(高式国)』
『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』『鍼灸集錦(鄭魁山)』
『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』)
芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】
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