【肝経。曲泉の上方4寸。薄筋、縫工筋の間に取穴する】
鍼灸師でも忘れがちなツボ、『陰包』が今回のテーマです。
忘れがち、とは書きましたが、実はこのあたりはよく使うポイントではあります。触って硬くなったり、
へこんだりしている所に刺鍼するので、ついついツボの名前を忘れているというだけで、不妊症や月経不順
などの生殖器系の疾患や、尿漏れ、便秘のような泌尿器系の疾患の有効穴です。
それ以外でも下腹部の引き攣りや膝の痛み、膝折れなどでも活躍してくれる隠れた名穴です。
【ツボの取り方】
同じ肝経に所属する『曲泉』の少し上に位置しています。
膝の内側の中央あたりに大きな筋肉があると思いますが、この筋肉を大腿の裏側へ下った所の溝にあるのが、
『陰包』になります。これを溝の中に取るか、筋肉上に取るかは疾患次第ですが、ご自身でケアされる場合は
この筋肉(内側広筋、縫工筋)を手のひらでマッサージしてみてください。冷え症でお腹が冷える方や、
冷えて月経痛がひどくなるという女性なら温灸やカイロで温めるのがよいでしょう。
【主治・効能】
・便秘、遺尿、月経不調、下腹部・腰臀部の痙攣、内股神経痛
・生殖器疾患、月経不順、不妊症、子宮出血、卵巣炎、遺尿、下腹部冷感症、下腹部疼痛、腹直筋痙攣
腰痛、腰部から腹部・下肢にくる牽引性疼痛、大腿内側疼痛
・小便不利、遺尿、月経不順、下肢の腫痛・麻痺
・小腹にまで引痛する腰痛、遺尿、失精、小便難など膀胱に関わる諸症を治する。
女子の月経不順など、子宮精室の病を治する
・早産、流産防止、不妊症。重症ならば施灸がよい
(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』
『鍼灸集錦(鄭魁山)』『鍼灸経穴名の解説(高式国)』
『経穴の使い方・鍼の刺し方(鍼灸素霊会)』)
芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】
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