『陰谷(いんこく)』【西宮・芦屋 鍼灸香春】

【腎経合水穴。膝内側、膝窩横紋上で半腱様筋腱の外縁に取穴する

 腎経は水を主っているのですが、東洋医学的にはこの水(津液)と飲食物のエネルギー(栄気)を化合して

「血(ケツ)」が造られる、としています。『陰谷』は水穴ですから、この腎本来の水をコントロールする

作用を象徴するようなツボだといえます。

 「血」には体温を保持し、組織を潤して栄養するという機能があります。この機能を向上させる際に用い

られるのが本穴と肝経曲泉になります。ツボそのものにそのような作用があるというよりも、血の循環を

維持するために必要なツボだということだと思われます。

 というのも、血は流動性を失って停滞してしまうと「瘀血」化して病の原因になってしまうため、膝や

足首のツボを使って血を呼び寄せているのだと考えるとよいと思います。関節部は狭窄部位ですから、血流が

悪くなりやすいのです。ここを緩めて血液循環を改善しようということだと思われます。

 当院では血虚(貧血やヘモグロビンの機能低下状態)の方によく使いますが、太もも裏の筋肉の緊張が

とれるためか、膝から下に心地よい掻痒感があって、足が温まり膝の痛みが楽になります。腰や股関節、

下腿、足首などのツボと併用するのが効果的です。

 ほかに『委中』などと併用して腰痛に用いたりもしますが、疲労老化エネルギーを使い過ぎている

方によく使います。意外と便秘下痢にも有効ですし、お腹が冷えるような人や不妊症にも援用しています。

 漢方でいえば太谿』『復溜などと併用して、四物湯』や『当帰芍薬散に近い使い方をしています。

【ツボの取り方】

 教科書では本穴は膝の内側、半腱様筋腱の外縁に取るということになっています。

半腱様筋というのは膝を曲げた時に膝裏に現れるスジのことです。膝の外側にも

スジがありますが、これは無視して内側のスジの内端が『陰谷』になります。

 ただ、臨床的には半腱様筋と半膜様筋の2枚の筋肉が折り重なっているので、

その隙間を『陰谷』とすることも多くあります。これはツボの位置を現した古典

書籍の文章をどう理解するかという解釈によって異なっているようです。

【主治・効能】

・膝関節炎、内股痙攣痛、下腹鼓脹、尿意頻数、陰茎痛、大陰唇炎、陰門掻痒・腫膿

・腎疾患、膀胱炎、尿意頻数、陰茎痛、大陰唇炎、陰門掻痒、淋疾、下腹鼓脹、下肢内側痛、膝関節炎

 リウマチ、痔疾

・膝関節痛

・インポテンツ、疝気、陰嚢湿痒、小便頻急、遺尿、尿閉、腹脹、子宮出血、赤白帯下、膝関節内側痛

腰痛

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』

 『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』『鍼灸集錦(鄭魁山)』

 『鍼灸経穴名の解説(高式国)』)

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【はり灸専門】

芦屋市大原町の鍼灸院。JR芦屋駅より徒歩6分。東洋医学(鍼灸、漢方)で、首コリ、肩コリ、五十肩、腰痛、ぎっくり腰、膝痛、季節の不調、自律神経失調症、頭痛、耳鳴、めまい、鬱、不眠などに対応します。芦屋、西宮、東灘、灘区、神戸、宝塚などで鍼灸院をお探しの方へ。

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