四物湯【西宮・芦屋 鍼灸香春】
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四物湯
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当帰・川芎・芍薬・地黄4
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『四物湯』は血を補うための漢方薬です。これを“養血”といいますが、その意味では以前に紹介した
『当帰芍薬散』に似ています。ただ、使用条件が正反対なのでここを間違えるとよくありません。
『当帰芍薬散』は「当帰」「川芎」「芍薬」は同じですが、そこへ「茯苓」「沢瀉」「白朮」が追加
されています。後ろの3つの生薬は水滞を取る生薬なので、つまり血の足りていない「血虚」を補う
というのは同じですが、同時に「水の停滞」がある方に用いられる漢方だといえます。
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対して本方には「地黄」が入っています。「地黄」は身体の構成要素である津液(水分)を増やす
生薬で、「当帰」「川芎」と協力して不足している血液を補って循環させるという漢方薬になります。
不要な水が余っている状態に使う『当帰芍薬散』に対し、「必要な水や血液が足りずに虚熱がある」
という状態に使うのが『四物湯』です。
四物湯の適用
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本方は血虚を起こしたがために虚熱を発生させています。虚熱は冷却機能を失った身体から出た排熱の
ようなものです。その熱で皮膚が乾燥し、ひどい場合はシミや皮膚病になります。また、腹部での動悸、
めまい、頭痛などを引き起こします。こういった疾患に適応する傍ら、原因が血虚なので、不妊症や
更年期障害、月経不順、産後や流産後の疲労回復などの婦人科疾患、それと便秘にもよく効きます。
また、虚熱がある一方で足は冷えるため、冷え症やシモヤケにもよく用いられています。
ただ、本方は単独で用いられることは少なく、別の方剤と併せて用いられます。例えば老人の便秘に
『調胃承気湯』と併用したり、頻尿や血尿のある方に『猪苓湯』と合わせたりします。
血液を増やして循環させるという効能は、基本的な作用になるので様々な漢方薬のベースとしても
用いられている、基本的で本質的な方剤であるといえます。
これ以外にも口内炎、骨髄炎、骨膜炎、脱疽、頻尿、高血圧のような疾患が対象になります。
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あと、本方を服用する際の注意として「胃腸不調がない」というものがあります。これは「地黄」が
含まれるためだと思われます。『十全大補湯』もそうですが、「地黄」のような重い生薬は消化吸収に
体力を消耗するため、胃腸機能に不調がある方の場合、却って食欲低下や下痢などの副作用を起こす
ことがあります。つまり『四・六君子湯』のような漢方が適応する方には不向きだといえます。
(『漢方医学体系(龍野一雄)』『大塚敬節著作集』
『漢方常用処方解説(高山宏世)』『漢方主治症総覧(池田政一)』より)
芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】
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