当帰四逆湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯【芦屋・西宮 鍼灸香春】

当帰四逆湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯

 

 

当帰・桂枝・芍薬・細辛・呉茱萸3、

甘草・木通2、大棗6、ひね生姜8

 

 一言でいうと冷え症の漢方薬になります。特に手足が冷えるという方に用いられます。ただし冷え症なら

なんでもよいというわけではありません。

 『当帰四逆湯』『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』は“血虚”という貧血に似た症状と、“気滞”という血液を

隅々まで行き渡らせることができない状態が身体のベースにあります。血液が指先の細かいところまで

巡らないため、特に手足が冷えます。これを“厥冷(ケツレイ)”といいます。

 簡単にいうと、まず血虚があるので血液やエネルギーがそもそも少なく、気滞しているため、その少ない

エネルギー(営気(エイキ))を巡らせることもできない。加えて右下腹部に久寒(キュウカン)があるため、冷え

がひどいということになります。

 つまり、血(ケツ)は肝が主るのですが、その血に含まれるエネルギーの営気が少なくなっています。営気

が少ないことは陽虚を意味するので、東洋医学的には肝陽虚となります。陽虚は暖める機能の低下ですから、

そこに久寒が加わって冷え症がきつい状態になっています。

 久寒というのは瘀血や慢性的な冷えが集まったもので、身体の中に冷気の塊があるようなものです。瘀血の

場合は圧迫すると痛みがあります。

 当院では、このような時に『当帰四逆湯』を使い、久寒が更に強く、冷え症状が特に顕著な場合なら

当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を使います。追加されている生薬が呉茱萸と生姜なので胃腸の冷えが強いのだと

思われます。つまり体内からの冷えこそが直接の原因となって、毛細血管や末梢血管が収縮している時に

使う漢方であるということです。凍傷のような外部からの冷えの場合にも使われますが、体内の冷えが外から

冷えに呼応して発症したものと考えます。

当帰四逆湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯の適応疾患

坐骨神経痛、シモヤケ、凍傷、あかぎれ、腰痛冷え症、疝気、脱疽、虫歯、肩こり、腹痛・腹脹、関節痛、

神経痛、手足厥冷、早朝の下痢、子宮脱。レイノー症候群、エリテマトーデス、不妊、頭痛、頭重、鼻水、

耳鳴りなどが対象になります。他の特徴的な症状には、月経中に下痢が頻発し、食欲がない割に食べること

自体はできる、性交渉を嫌うなどの傾向があります。

(『宋版傷寒論』『漢方医学体系(龍野一雄)』『大塚敬節著作集

 『漢方主治症総覧(池田政一)』『薬方愚解(木田一歩)』より)

芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

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