【小腸経経穴。尺骨茎状突起と三角骨の間に取穴する】

　あまり使われるようなツボではないですが、一定の方向性があります。

　ここまでに紹介した『少沢』『前谷』『後渓』が熱を治めるベクトルの

効果だったのに対し、『陽谷』はどちらかというと発散を促すベクトルの

ツボです。

　陽気（熱）が停滞することで炎症を起こし、皮膚病や腫れなどを誘発

しているので、熱を発散させることで改善を目指す際に用います。

　鍼灸香春では、夏場の不調を処置する時にちょくちょく使います。

　また、他にも陽気の量は大したことがないのに、流れが悪くて

トラブルになっている場合にも使ったことがあります。頭痛や耳鳴り、

咳、めまい、のぼせなどです。

　ご自身で使うには不向きなツボですが、ケアに使うのであれば

『後渓』『腕骨』などと一緒にマッサージするとよいです。

【主治・効能】

・癲狂、妄言、熱病、汗が出ない、耳・眼・口・歯の諸病

・頭痛、めまい、耳鳴り、耳聾、狂癲、高血圧、口腔炎、歯齦炎

　咳嗽、頚肩腕症候群、肋間神経痛、尺骨神経痛・麻痺

・頭痛、めまい、耳鳴り、耳聾、癲狂、妄言、吐舌、口腔炎、歯齦炎

　肋間神経痛、前腕神経痛、尺骨神経麻痺、小児瘈瘲と乳食不能

・手首の痛み

・耳鳴り、めまい、頚部顎部の腫痛、前腕痛