動悸・不安・パニック障害【芦屋・西宮 鍼灸香春】

不安・動悸・パニック障害

東洋医学の不安・動悸・パニック障害のチェックシート

 東洋医学的には不安や動悸は主に心(シン)の熱の過剰や不足によって発生します。

 その熱の過不足の原因がどこにあるかでツボや漢方処方が変わります。

 なお、心臓弁膜症などの病院適応の器質的な疾患はまた別に紹介させていただきます。

緊張性動悸

❑ 緊張や驚きで動悸

❑ 不安感が強い

❑ 夢を見て眠りが浅い

❑ 小心で驚きやすい

❑ 脉が早い

熱の動悸

❑ 寝汗をかく

❑ 不眠、メマイがする

❑ 皮膚に艶がない

❑ 唇や爪が白い

❑ 手足が火照る

❑ ノドが渇く

胃腸虚弱動悸

❑ 手足が冷える

❑ メマイがする

❑ 下肢が浮腫む

❑ 排尿困難がある

❑ 下痢、便秘がある

❑ 身体がダルい

冷えの動悸

❑ 不整脈がある

❑ 元気がない

❑ 疲れやすい

❑ 息切れしやすい

❑ 寒がりで顔が青白い

❑ 手足が冷える

瘀血の動悸

❑ 胸がチクチク痛む

❑ サメ肌

❑ 内出血しやすい

❑ 舌や唇が暗紫色

❑ 不整脈がある

❑ 臍周囲や下腹が硬い

緊張性動悸

 驚き、緊張、恐怖などで発症する動悸です。

交感神経の興奮現象なので、正常な範囲なら

問題ありませんが、その程度がひどい場合や、

気になる場合が緊張性動悸です。程度問題なので

軽症であるケースが多いです。

 普段からのストレスや体調不良、悩み、疲労

過剰などで精神的な余裕がなくなっていることが

ベースにあります。

【漢方薬】

柴胡加竜骨牡蠣湯、救逆湯

熱の動悸

 “陰虚”といわれる状態です。一部“血虚”も

含みます。血は基本的には水分なので、過剰な

熱を治める作用があります。治められなかった

熱が上半身に上り、胸に籠ると動悸や不安感を

引き起こします。身体の奥に熱が籠ると寝汗、

表面化すると皮膚がカサカサになります。

頭に熱が上るとメマイを起こします。

 血虚の場合、栄養が脳に巡らず物忘れ・健忘の

原因になることもあります。

【漢方薬】

帰脾湯、酸棗仁湯、甘麦大棗湯 

胃腸虚弱動悸

 余分な水分による“水毒”が本質にあります。

 胃腸が悪く消化吸収できず、栄養供給ができ

ない状態です。また排便までの流れがスムーズで

ないため呼吸や飲食物が滞り、それが胸に痞えて

動悸や不安となります。

 お腹を揺らすと水の音がし、頭痛や吐き気、

メマイ、全身倦怠感を伴います。水が体内に

あるため、冷えや浮腫み、下痢などがベースに

あります。

【漢方薬】

苓桂朮甘湯、小半夏加茯苓湯、半夏厚朴湯

苓桂甘棗湯、真武湯、帰脾湯、人参湯

冷えの動悸

 熱の動悸の“陰虚”に対応する状態で、“陽虚”による動悸です。一部“気虚”も

含みます。過労や病、栄養不良などで過剰にエネルギーを消耗した状態を気虚と

いいます。疲れやすくて元気がなく、不整脈を呈し、息切れがします。

 陽虚は気虚状態に加えて熱が足りず、顔が青白く、寒がりで手足が冷えます。

 気や血は東洋医学でエネルギーを意味しますので、その生産が追い付かない

ために動悸や不安感を引き起こします。特になにかの挙動時に発症します。

【漢方薬】

炙甘草湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、真武湯、苓桂朮甘湯

瘀血の動悸

 気虚、陽虚、気鬱、寒冷などが原因で血行不良となって発症します。

 “瘀血”は血液などの体液が停滞して動かなくなったものを指しますが、

体液を循環させる作用を持つのが、東洋医学でいうところの“気”です。

この“気”が失われてしまうために瘀血は発生します。

 唇や舌が黒っぽくなっていたり、サメ肌や皮下出血などの皮膚トラブルを

引き起こしがちです。月経や大便も黒っぽく、粘ったような感じがあります。

【漢方薬】

桂枝茯苓丸、血府逐瘀湯、補陽還五湯

動悸・不安・パニック障害の原因

 原因について、まず最初に考えなければいけないのは、心臓そのものに問題がある

ケースです。

 鍼灸香春では心房細動や心室細動といった命に係わる疾患をお持ちの方の場合は、

動悸などに対する施術についてはお断りさせていただく場合があります。

病院で対処していただくことが、その方の健康にとって最も望ましいからです。

 それ以外では、自律神経の失調が主たる原因になります。緊張やストレスで交感神経が

興奮するために心拍が高まり、それが動悸や不安につながります。

 また貧血がベースにあると、脳は心拍を高めて循環効率を上げることで貧血問題を解決

しようとします。それが動悸として認識されたりすることもあります。

 これらのいわゆる期外収縮や不整脈、基礎疾患の見られない原因不明の動悸や不安感は

鍼灸漢方の適用ですので、ぜひご相談ください。

動悸・不安・パニック障害と東洋医学①

 東洋医学的には熱の過剰、エネルギーの不足(血虚、気虚)、病理産生物(瘀血、痰、体液)などが

主な要因として考えられます。こういった要因が自律神経を失調させ、心臓の働きを鈍らせます。

 当然、鍼灸漢方の施術もこの辺りを考慮して、プログラムを組みます。

 一見遠回りのようですが、本質をついているというべきでしょう。

 例えば労働やストレスでエネルギーを消費した場合、その際に“虚熱”という廃熱が発生します。この

虚熱は生理的には役に立たないんですが、炎症を引き起こしたりと厄介な存在になります。頭に上れば

頭痛や耳鳴の原因になり、首・肩こりも誘発します。咽喉に籠るとエヘン虫のタネになり、ノドが

渇きます。乾燥肌や寝汗、過食の原因にもなり、当然胸に集まると咳や動悸、不安感を発症します。

 また胃腸虚弱などがある場合は消化吸収ができないためエネルギーが作れず、水分が消化管に溜まり

ます。エネルギー不足は心臓のみならず、全器官の機能低下を招きます。水が溜まって内臓が冷えると

飲食物やガスの通行に支障が出るため、お腹や胸が痞えて動悸を引き起こします。

 病理産生物というのは痰や瘀血、役目を失った体液などをいいます。本来は代謝されて再利用、

または排泄されたりするのですが、たまに身体の中に淀みとして残ってしまう場合があります。これらを

総称して“瘀血(オケツ)”と呼びます。瘀血は冷えや熱の温床になり、血流を悪化させ、血液自体の質も

悪くなります。こういった瘀血が臓器に供給されてしまうと、動脈硬化や臓器の機能低下の原因となり

ます。痰濁瘀阻と呼ばれ、べったりとした痰や血液が臓器や血管に張り付いてしまうイメージです。

無論、心臓の機能が低下すれば動悸や不安感、不整脈の原因になります。

動悸・不安・パニック障害と東洋医学②

 動悸は胸でだけ起こるわけではありません。腹大動脈の起こす臍傍動悸や腹部動悸、下腹から喉元へ

突き上げるような動悸というのもあります。これを豚が走ってくるような感じだというので、東洋医学では

奔豚気(ホントンキ)」と呼ばれます。これは少し特殊で、いわゆる「パニック障害」の方によく見られる

タイプの動悸です。痛くはないのですが、大変気持ち悪いと訴える方が多いです。

 奔豚気は腎虚をベースにして発症します。腎虚は過度のストレスや疲労、加齢やホルモンバランスの

乱れなどが原因となって発症する東洋医学上の病的な状態です。

 腎は東洋医学では“少陰経”というグループに分類されます。これは苗字のようなものです。そして同じ

苗字を持つのが心(シン)です。つまり心と腎は少陰経という同じ家に住む家族のようなもので、正式には

少陰心経、少陰腎経と呼ばれています。

 左の図にもあるように、心と腎はそれぞれ火と水という真反対の属性に分類されています。そして両者は

少陰経という家の中で、心は腎の水を温め、腎は心が炎上しないように冷やしています。こうして心と腎は

協力して身体が冷え過ぎず、また加熱し過ぎないようにちょうどいい温度を保っています。

 ところが腎虚状態になると、腎の水が乾いてしまって冷却能力が低下し、心の熱が過剰になります。

このような状態を「陰虚火動」というのですが、この過剰になった心の熱によって、腎も更に熱を受けます。

この腎に入った熱が「奔豚気」となって下腹から胸へと上ります。心の熱も腎からの水がないために、更に

燃え盛って、動悸や不安を引き起こします。

動悸・不安・パニック障害の鍼灸治療

 当院ではまず冷えなのか、熱なのかで大まかに分類しています。

 上半身に熱がある場合の動悸であれば逆上せや頭痛、首肩のコリ、咽喉や口の渇き、咳などがよく

見られますし、高血圧の方もよく見受けられます。

 反対に冷えがある方の場合は、冷え症、頻尿、多尿、下痢軟便、食欲不振口に涎が溜まるなどの

症状をよく見かけます。胃腸虚弱などがベースにあって陽気を作れていない方が多いです。

 熱による動悸は心(シン)や肺の熱で、チェックシートの分類でいうと「緊張性動悸」「熱の動悸」に

あたり、「パニック障害」なども基本的にこちらに分類されます。

 “腎虚”がベースにあって、熱を抑えることができていないと考え、心(シン)に熱があるなら手にある

ツボの『少沢』『関衝』『少府』『労宮』『曲沢』『外関』『内関』『郄門』あたりからを反応のある

2~3穴を選んで使います。

肺の熱と思えば『商陽』『魚際』『尺沢』『曲池』。それらに足の『然谷』『復溜』などのツボを

加えています。上半身はあまり触りませんが、肩頚のコリがあるので、肩に少しチクチクさせる散鍼と

天柱』『風池』。背中の『肺兪』『厥陰兪』『腎兪』、胸の『膻中』などを使います。

 冷えによる動悸には「胃腸虚弱動悸」「冷えの動悸」があたり、胃腸虚弱が本質なので、ツボも胃腸の

ツボをよく選びます。施術ではお灸や温灸をよく使います。

 手の『大陵』『内関』や足の『太白』『足三里』『飛陽』『跗陽』『崑崙』。背中の『脾兪』『志室』。

お腹の『中脘』『天枢』などをメインにしています。手足は鍼で、背中はお灸、お腹は温灸にしている

ことが多いです。

 動悸や不安感を主訴にされている場合、敏感な方が多いので、強い刺激は避けるようにしています

動悸・不安・パニック障害の漢方薬

 「緊張性動悸」に分類されるような場合で、体力があって体格がよく、お腹に動悸があり、イライラや

興奮、ノイローゼなどの精神症状が見られるなら『柴胡加竜骨牡蠣湯』。

 似た感じでも体力がない方には『桂枝加竜骨牡蛎湯』。

 手足が火照り、ノドが渇く。疲れやすく、不整脈があるなら『炙甘草湯』。分類では「冷えの動悸」に

入っていますが、正確には心気虚で、特に陰気が虚しているため熱症状を呈しています

 動悸に加えてノドに何かが使えた感じ(梅核気)があり、鬱々とした気鬱タイプには『半夏厚朴湯』。

 身体の芯から冷えて、メマイ下痢を伴うなら『真武湯』です。

 メマイ、息切れがあって、お腹がちゃぷちゃぷするようなら『苓桂朮甘湯』。

 「胃腸虚弱型動悸」で、思い悩んで疲れ果て、貧血や不眠の傾向があって、物忘れが目立つなら

帰脾湯』。胃腸虚弱がベースで“血虚”になっています。

 胃腸虚弱で冷え症、口に唾液が溜まるなら『人参湯』『人参養栄湯』で心の気血を補うとよい

でしょう。手足も温まります。

 『酸棗仁湯』は“肝血虚”という症状の時に使います。血が足らない状態で、イライラし、心身疲労感は

あるのに不眠という人に使います。

 血虚が強いために臓腑が乾いて、焦燥感のようなものを感じる方に適しているのが『甘麦大棗湯』です。

神経質で精神的不安定、悲観的なタイプの方に使います。あくびをよくする、という特徴があるので、

精神的な緊張が抜けないのでしょう。ぐずぐずと泣き続ける乳児の夜啼きにも使えます

 顔色が青黒く浮腫みが強い、肋骨の下あたりの張りと圧痛が強く、呼吸が苦しいなら『木防已湯』。

心臓性喘息や心臓弁膜症にも使われます

 臍の下が硬く、圧痛がある。顔色や唇が赤黒く、足が冷えて逆上せ、月経不順があるなら体力に応じて

当帰芍薬散』『桂枝茯苓丸』『桃核承気湯』を使い分け、症状に合わせて『四君子湯』や『四逆散』を

併用します。

 「瘀血型動悸」は“気虚”による場合なら『補陽還五湯』を使うことがあります。脳卒中の後遺症に使われ

ますが、気虚によって血液がスムーズに流れず、詰まっているという場合が適応になります。

 『九味嬪榔湯加呉茱萸茯苓』は労作性の動悸で、起床時に顔がむくむ時に使います。階段で動悸

激しくなる方などです。

 あと上でも紹介した「奔豚気」によく使われるのは『苓桂甘棗湯』です。

動悸・不安・パニック障害の自宅ケア

 『神門』『内関』『郄門』といった手にあるツボをゆっくりとマッサージするのがよいです。

 『郄門』は手首から肘までのちょうど真ん中ですが、このあたりで硬く膨らんでいるところがあれば、

それが郄門と思っていただいて大丈夫です。 

 これらのツボはストレスやイライラなど、メンタルの不調にも使えます。特に郄門は“心包経”に属し、

鬱傾向のある時などに硬く張ります。気持ちが内向きになる時は、誰でも肩をすぼめて、手の内側に

力が入るものですから、必然的に心包経に力が入って硬く張ります。

 『神門』の少し左側、手首の真ん中を『大陵』といいますが、ここもポイントになります。

胃腸虚弱型」に該当する方には特におすすめです。

一緒に膝下の『足三里』もマッサージすれば効果はより上がります。

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

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