【心包経兪穴、原穴。手関節前面横紋上の中央に取穴する】

　手のひら側の手首の所に、関節のシワがあると思いますが、その真ん中が『大陵』になります。

　本穴は「兪穴（ﾕｹﾂ）」であり、同時に「原穴（ｹﾞﾝｹﾂ）」でもあるため、エネルギー生産工場である脾胃

と深い関係にあります。当然、心包経のエネルギー源になります。

　下方に記載している主治症を見ていただける分かりますが、ツボの効果は大まかに３種類見られます。

つまり「心臓のトラブル」「腕の神経痛や痛み」「精神のトラブル」です。

　他にも胃腸虚弱の方や下痢など、お腹の中が冷えている場合も使います。

　当院では気力体力が不足しているタイプの方で、以上のようなトラブルを抱えている方によく使います。

場所的に直接鍼を刺すとやはり痛いので、主に鍉鍼や汎用太鍼という刺さない鍼を使います。

　この３点でお悩みの場合、ご自分でケアをされるなら、あまり圧迫しないようマッサージするのがよい

でしょう。イメージ的には血液や気の流れがよくなるように、長軸方向へマッサージを加えるのがよいと

思われます。

【主治・効能】

・心窩部痛、心悸亢進、癲癇、ヒステリー、中暑、頭痛、発熱無汗、咽喉腫痛、嘔吐、胸脇痛、神経衰弱

　肘・前腕・手の痙攣痛

・喘咳嘔血、心懸如飢、悲泣驚恐、心脇痛。安眠作用

・心疾患、胸膜炎、肋間神経痛、角膜炎、眼充血、高血圧、ノイローゼ、神経衰弱

　精神神経症（狂病、鬼病）、正中神経痛、書痙、腕関節リウマチ

・痂瘡疥癬、心外膜炎、ヒステリー、角膜炎、前腕神経痛、神経性心悸亢進、精神病、中風の半身不随

　舌骨筋麻痺、肋間神経痛、腋窩腺炎、腸チフス、掌中熱、月経不調、子宮充血、疳虫

・不眠、心臓動悸、癲癇

・手の握れない者の特効穴

（『鍼灸孔穴類聚（松元四郎平）』『経穴の使い方鍼の刺し方（鍼灸素霊会）』

　『鍼灸臨床取穴図解（小野田正、池田久衛）』『鍼灸集錦（鄭魁山）』

　『経絡経穴の近代的研究（濱添圀弘）』『鍼灸経穴名の解説（高式国）』）

芦屋・西宮 鍼灸 香春（こうしゅん）【JR芦屋徒歩6分】