『間使(かんし)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【心包経経穴。長掌筋腱と撓側主根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方3寸に取穴】

 先の『大陵』の上3寸の位置になります。3寸というのは、およそ自分の手の第2指~5指の、指4本分の

幅になります。または手首から肘までの、4分の1がだいたい3寸になります。

 『間使』は経金穴になるため、気の流れを促す作用があります。詰まったり、痞えたり、滞ったりしている

ものを流すという効果です。そのため、熱がこもって発症する心臓部の痛み精神的ストレス、鬱などに

用いられます。また、掌中熱という手のひらが火照る症状にも使います。

 この掌中熱は『大陵』でも対処できますが、意味的に大陵は兪土穴、原穴なので、エネルギー過剰による

熱の時に使い、本穴は熱が停滞している場合に使います…が、臨床的にそこまで区別することは少ないです。

 「心包経」は“心(シン)”の命令を伝えたり、実行したりするのですが、これは人間の精神や高次脳機能に

関与するということです。もちろんストレスや不安感、鬱、イライラ、焦燥感、恐怖なども含みます。

この際の反応が左の図でいうと特に『内関(ナイカン)』『間使』『郄門(ゲキモン)』に緊張や硬結といった形で

現れます。ご自身の前腕の掌側(内側)の真ん中あたりを触って硬かったり、少し膨らんで見えるようなら、

ツボを問わずに肘の付け根から手首まで、ゆっくりと、血液や気の流れがよくなるようにイメージしつつ、

滞りを押し流すようにマッサージしてみてください。

 本穴は月経不順、消化不良動悸、溜息などの解消にも効果を期待できます。

【主治・効能】

・嘔吐、少気、中風、気塞、霍乱、乾嘔、心痛、多驚、久瘧、昏迷、卒死

・心外膜炎、心胸狭窄痛、神経性心悸亢進、精神病、ヒステリー、中風、半身不随、舌骨筋麻痺、肋間神経痛

 腋窩腺炎、腸チフス、掌中熱、月経不調、子宮充血、小児の癇症・搐搦

・心疾患、ノイローゼ、神経衰弱、精神神経症(狂病、鬼病)、胸膜炎、肋間神経痛、中風、半身不随

 咽喉炎、月経不順、子宮充血、小児搐搦、書痙、正中神経痛

・マラリア、胃痛、心臓動悸、ヒステリー

・心窩部痛、心悸亢進、嘔吐、中風、昏迷、癲癇、ヒステリー、精神病、マラリア、熱病

 小児ひきつけ、前腕の痙攣痛

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』

 『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』『鍼灸集錦(鄭魁山)』

 『鍼灸経穴名の解説(高式国)』)

芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

Follow me!

『間使(かんし)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】” に対して2件のコメントがあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です