『小海(しょうかい)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【小腸経合穴。肘頭と上腕骨内側上顆の間の陥凹部に取穴する】

 心経によく似た名前の『少海』がありますが、そのすぐそばに本穴はあります。

肘の内側にポッコリと飛び出た骨がありますが、これが上腕骨内側上顆です。

この飛び出た骨を肘の腹側に降りた所が『少海』で、背中側(エルボー)に

降りた所が本穴になります。ポッコリ山を挟んで両穴は位置しているわけです。

肘をぶつけた時、じーんと痺れる、あの場所です。これは尺骨神経が通って

いるためで、その関係上『小海』は前腕の神経痛や神経麻痺にも使います。

 他には風邪・感冒で身体の中に熱が強くて、寒気がしない時などに

よく用いられます。鍼灸香春では、これ以外にも五十肩動悸、精神的に

落ち着きのない場合などに使っています。人を選びますが、効くときには

よく効くという印象です。

 小腸経は心経のパートナーですから、身体の熱が高まって発熱したり、その熱で

精神が昂ったりしたものを治める効果があります。これは“合穴”の持つ作用と

思われます。例えば腎は“少陰経”というルートで心(シン)とつながっています。

この“少陰経”を通じて心(シン)の熱を腎が冷やし、腎の水を心の熱で暖めるという

共生関係を成立させています。ところが腎の冷却機能が弱ってしまうと体内の熱が

高まってしまいます。特に心に熱が籠りやすくなるため、動悸不安感

不眠などの原因となります。私はこのような時にも『小海』を使っています。

【主治・効能】

・手の小指の痛み、肘関節痛、肩の痛み

・肋間神経痛、肋膜炎、呼吸困難、顔面浮腫、耳聾、歯痛、目黄、狂走急癇

 腋窩腺炎、舞踏病、腸疝痛、後頚部~前腕部の筋痙攣、尺骨神経痛

・顔面浮腫、耳聾、歯痛、目黄、蓄膿、扁桃炎、肋間神経痛、胸膜炎、ノイローゼ

 呼吸困難、腸疝痛、腋窩腺炎、狂病、頚肩腕症候群、五十肩、尺骨神経痛・麻痺

耳聾、目眩、歯痛、頬部腫脹、頚部の強痛、小便濃+不利、癲癇

 精神病、尺骨神経麻痺、前腕痛、半身不随

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』

 『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』『鍼灸集錦(鄭魁山)』)

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

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