『神門(しんもん)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【心経兪穴・原穴。手関節掌側横紋上、尺側手根屈筋腱の撓側縁に取穴する】

 位置が難しく書かれていますが、要するに手首のところで手のひら側、一番小指側にあるスジの更に

外側のヘコみのことです。

 『神門』は兪穴(ユケツ)であり、土属性のツボですが、同時に原穴(ゲンケツ)という役割も担っています。

このような2つの性質を併せ持つのは本穴だけでなく、陰経の兪穴は全て同じです。例えば肝経『太衝

も同じく兪穴であり、原穴でもあります。

 この土属性の「兪穴」は消化器系の胃や脾と密接に結びついて、食べ物から得られるエネルギーを経絡に

供給する重要なツボになります。

 本穴が所属する心経にエネルギーが供給されなくなったり、過剰供給されたりすると情緒が乱れます。

恐れ、悲しみ、不安、怒り、イライラといった感情がコントロールできなくなったり、動悸胸の痞え

痴呆健忘、気鬱、狂気なども引き起こします。

 つまり、心(シン)は血液供給の要でもありますが、人間の思考や思索といった高次脳機能にも深く関与

するというのが、東洋医学の基本思想だといえます。

 『神門』は手首の腹側にあるツボなので、刺激が強いと痛みを感じてしまいますから、刺さない鍼

汎用太鍼や鍉鍼など)をよく使います。まあ私の場合、必要な時は刺しますが…。

 ただ、ご自身でケアするには、あまり適さないツボでもあるので、上記ような症状でお悩みの方は

お近くの鍼灸院や漢方薬店をお訪ねください

 もし養生でマッサージする場合は『少府』『少衝』などを参考になさってください。

【主治・効能】

・恐、悸、呆、痴、健忘、狂癇など。心気を鬱結を開いて意識障害の諸症

・精神病、心臓病、心臓肥大による咽喉の渇きや不食、悪寒、ジフテリア、神経性心悸亢進症食欲不振

 吐血、鼻カタル、舌骨筋麻痺、尿道麻痺、前腕神経麻痺、掌中熱、間歇熱と悪寒する者

不眠動悸、ヒステリー

・精神病、心臓病を主る。心悸亢進、心肥大、心内膜炎、心臓病一切、心経衰弱、ノイローゼ、狂病、

 癲癇、その他精神神経症一切、食欲不振、吐血、頭痛、悪寒、鼻カタル、咽乾、掌中熱、便秘

・心窩部痛、煩満、心悸亢進、健忘、失眠、脉なし病、ヒステリー、癲狂、吐血、ヒキツケ、神経衰弱

(『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』『鍼灸集錦(鄭魁山)』

 『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』『鍼灸経穴名の解説(高式国)』

 『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』)

              芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

 

Follow me!

『神門(しんもん)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】” に対して3件のコメントがあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です