【陽輔(ようほ)】【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【胆経経穴。外果尖と膝窩横紋外端を結んだ線上、外果尖より1/4の所に取穴する】

 あまり使うツボではないのですが、イライラなど胆経の熱症状が強い時(“実”といいます)の

偏頭痛などに用います。胆経に熱が籠ると頭痛を発生させますから、その熱を足へ引き下げて頭痛を

治めるわけです。そういう意味では榮穴の『狭渓』に似た効果があります。

 ただ、ツボの名前を見てもらえばわかるように、輔という漢字は「輔弼」などの言葉にも使われる

漢字ですから、扶けて支えるというニュアンスがあります。つまり本穴にも陽気を扶けるという意味が

あるから『陽輔』という名前で呼ばれるのでしょう。

 このあたりが『狭渓』との違いというべきでしょうか。そのため、冷えによる麻痺や神経痛にも

よく用いられます。

 

 左の図で赤線で囲まれているのは『懸鐘』という別のツボですが、その上が『陽輔』に

なります。この『懸鐘』は昔『絶骨』という別名で呼ばれていました。『懸鐘』は

“髄会(ズイエ)”と呼ばれる重要ポイントで、脊髄疾患や頭の芯が痛む時の頭痛などによいと

されてきました。

 で、この『絶骨』なんですが、私がよく参考にしている松元四郎平先生の『鍼灸孔穴類聚』

によると、本穴『陽輔』もその名前で呼ばれていたことがあるそうです。別の書籍などで

その様な記載を見かけたことがないので、なにかの間違いかもしれません。ただ長い歴史の

中でツボが決定されていく過程にて、近接するツボが色々と混同されてきたという名残なの

かもしれません。

 そのため、本穴にも髄会としての効果があるとされている…筈なんですが…当の松元先生ご自身が、

対応症状に髄会なら対応するであろう症状を記載していないので、事実の如何はともかく、現代では

陽輔』であって『絶骨』としては扱わない方がいいように思います。

 偏頭痛に悩まされている人で、足がよく冷えているなら特に本穴がよいでしょう。勉強や仕事、読書や

ゲームに集中し過ぎてキリキリと痛む際にも有効です。

 マッサージなどで自己メンテナンスするにはやや不適なので「せんねん灸」などで温めてみてください。

 【主治・効能】

・風邪に伴われる関節炎、リウマチ、神経痛筋炎、顔面神経痙攣、肋間神経痛、心臓絞扼痛、腰が水中にいるように冷えて顔面蒼白、

 膝下の知覚麻痺、扁桃腺、腋窩腺炎、口が苦い、眼の充血

・冷えに由来する疾患によい

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『鍼灸経穴名の解説(高式国)』より)

 

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

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