『三間(さんかん)』【西宮・芦屋 鍼灸香春】

【大腸経兪穴。手の示指の中手指節関節撓側の近位陥凹部に取る

 前回の『二間』に位置的にも、効果的にもよく似たツボが本穴の『三間』になります。

敢えていうなら『二間』は面部の逆上せ、特に鼻血などによく効きますが、本穴は腸の蠕動不全水様性

下痢といったお腹のトラブルによく効きます。

 『二間』は過剰になった熱を処理するため、瀉法に適したツボだといえましたが、比較してみると

蠕動不全水様性下痢は冷えによる症状なので、『三間』は優しく刺激する補法が適するツボのように

思われます。このあたり、榮穴と兪穴の差なのかもしれません。

 そういう意味では『二間』は熱がメインの症状ですが、本穴はお腹に冷えがあるために熱がのぼせて

口の乾燥、癲癇、扁桃炎、咳嗽などに波及したもののように推察できます。

 似たような作用の両穴ですが、扱い方には微妙に差を設けた方がより効果的なのかもしれません。

 本穴は丁度『二間』と向かい合うように位置します。小指側の同じ位置には小腸経兪穴の『後渓』が

あり、どちらも手指や手部の拘縮・痺れに効果があります。以前に関西漢法苞徳之会福井仁照先生に

教えて頂いたのですが、こような疾患には『後渓』から『三間』へ向けて深く刺入すると効果的です。

そして『三間』にも同じ効果があるとされています。名人というものは意図せずに似たような見解に

至るものなんでしょうね。

【主治・効能】

・腸チフス、間歇熱、扁桃腺炎、呼吸困難、咳嗽、顔面・頭部の充血、歯痛、唾液分泌過多、舌肥大

 唇乾燥、口乾、雷鳴下痢、癲癇

・熱病、扁桃炎、呼吸困難、咳嗽、癲癇、頭部・面部充血、歯痛、唾液分泌過多、舌肥大、口乾

 雷鳴下痢、橈骨神経痛

・歯痛、手指・手甲の腫れ・発赤

・咽喉腫痛・梗塞、腸鳴下痢、歯痛、歯齦腫痛、手背紅腫、手指の拘縮、上肢麻痺

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』

 『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』『鍼灸集錦(鄭魁山)』)

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

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