不妊鍼灸院・漢方店の選び方④【芦屋・西宮 鍼灸香春】
「6つのチェックポイント」
③.鍼灸施術・漢方処方に思う
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【回答】妊娠するツボ、妊娠を助ける漢方なんてありません
便宜上、こういう説明をすることはありますが、存在するわけではありません。鍼灸は身体の弱点を
補強し、悪さを働く要因を除くように刺鍼します。これを陰陽虚実、補瀉といいますが、使うツボは人に
よって千差万別です。
肌が弱い、鼻水が出る、お腹を下すなど、弱点は人それぞれで、同じ風邪であっても、ベースとなる
身体の状態は違っているのです。当然、施術の方針も患者ごとに全く異なります。
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疾患の性質上、同じツボを使うことはありますが、組み合わせなどが変わってきます。もし体質に合って
いないツボを使ってしまうと、最悪の場合は悪化することもあります。
もしあなたの通う鍼灸院が誰にでも似たり寄ったりの施術をしているなら、少し考えものです。あなた
自身を診ずに単に不妊施術というマニュアルをこなしているだけかもしれません。
これはなにも不妊治療に限ったことではなく、全ての漢方医学に同じことがいえます。誰かが治ったという
方法や漢方であなたも治るとは限らないのです。
私の体験談
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件の不妊鍼灸専門治療院ですが、いわゆる「周期療法」を鍼灸・漢方でやっていました。低温期と高温期、
あとその前後半で微妙にツボと漢方処方をシステマティックに変更するというものです。
私が退職する際には「企業秘密」として口外するなといわれましたが、誰が心拍確認にたどり着く人が
20%の方法なんて真似るというんでしょうか。なんとも頭が悪いというか…。
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この手の、患者がどんな人でもやることはほぼ一緒という施術では、残念ながらまず効果は望めません。
周期に合わせるといえば確かに聞こえはいいですが、冷え症だろうが、暑がりだろうが、下痢でも便秘でも
お構いなしに、全員ほぼ同じ施術と漢方処方なんですから、そりゃ結果が20%というのも当然です。
こういう「資格を持っているだけの素人」が増えてしまうと、却って東洋医学全体への不信感につながり
かねないことが心配です。
解説
ツボも漢方も、ある程度のベクトルというものはありますが、決め打ちで使えるものはごく少数
です。だいたいはなにかしらの使用条件があります。マニュアル施術はそれを全く無視するか、
または大幅に簡略化するかしています。つまり患者を診ていないんですね。これではよくなるもの
でも悪化しかねません。
不妊でも風邪でも、体調を回復させて治癒を目指すということが東洋医学の本義です。
「妊娠させる」のではなく、体調がよくなれば「妊娠率も上がる」のです。
とはいえ東洋医学は魔法などではありませんから、ちゃんとタネと仕掛けがあってこそ、初めて
効果が出ます。脈や舌、お腹、問診、知識、技術、見識、動作テストなどを通じてあなたの体質を
知ることで、そのタネと仕掛けは作られます。だから鍼灸・漢方は効くんです。もちろん、毎回
そう上手くはいかなくて、ご迷惑をおかけすることもありますが…。
まとめ
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私ならマニュアル施術をしているところは避けます。
例えば、先生が他の患者さんにどのような説明しているか、そば耳を立ててみてください。できるだけ
あなたと雰囲気が正反対の方がよいでしょう。ぽっちゃり型の人なら痩せている人、体格のいい人とか。
それで同じような説明を受けているなら、警戒してください。
漢方の説明を求めるのも有効です。ただ漢方の効果を解説するだけなら、事前に対策できてしまいます。
あなたの体質を正確に見抜いていることが重要です。体質と病態の説明、それに漢方の説明が一致して
いるなら、とりあえずは大丈夫といえるでしょう。
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私も不妊治療希望の方から「当帰芍薬散ではないんですか」と聞かれることがあります。明らかに熱証
タイプの人で、便秘して顔に吹き出物ができるような人なので『当帰芍薬散』は見合わせていたんですが、
かえって不安に感じさせてしまったようでした。
これは『三陰交』でも同じですが、有名なツボでも漢方薬でも、体質に合っていなければ効果がない
どころか、悪化させることもありえます。鍼灸師、漢方家の最初で最大の仕事がここを見極めることだと
いっても過言ではありません。
そういう意味で、真っ当な鍼灸院なら、同じ疾患だからといってやることが一緒、なんてことはまず
あり得ません。たしかに似たような体質の人なら、似たようなツボを使いますし、いわゆる「特効穴」
という特に効果的なツボも使いはしますが、それだって無定見に使うわけではありません。
システム化して、マニュアル的な配穴や漢方では、正直成果を上げるのは難しいと思います。
ちゃんとあなたの身体を診て、反応を確かめつつ施術してくれる人をこそ選んでください。
芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】
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