『浮白(ふはく)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【胆経。頭部。乳様突起の後上方に取穴する】
乳様突起を起点に説明する教科書の文章では位置的に分かりにくいですが、臨床的には耳尖と同じ高さで、
少し後方に下がった所にある凹みに取穴します。
「浮」は溢れるの意で、「白」は杯を指し示します。で酔っ払った時のような症状に効くということで、
『浮白』と名付けられたようです。そのため、歩行不能、言語不明、脳溢血に用いられます。加えて耳鳴り、
耳聾、中耳炎のような耳の疾患、変わった所では五十肩にも有効なようです。呼吸困難にも効果がある
ようなので、おそらく胸郭の伸縮不全による腕の挙上不能や呼吸困難を治するのでしょう。その意味では
肩関節周囲炎や石灰化には不適と思われます。

当院では耳鳴りなどによく使います。正直なところ、わざわざ『浮白』を狙うというより、側頭葉への
アプローチを考えて反応のある所へ刺鍼しますから、その際に本穴を用いていることがあります。

側頭葉は言語や聴覚、記憶などと密接に関与します。2000年前の人たちが
脳の機能分類を正確に理解していたとは思い難いので、経験上理解していたと
考える他ありませんが、言語不明や耳疾患に本穴を用いているのは的を得て
いるといえますし、歩行不能も側頭葉のすぐ下の小脳由来のケースになら効果が
あるのかもしれません。
逆にいえば『浮白』でなくとも、側頭葉に影響を及ぼせるなら側頭部のツボは
有効であるともいえるわけです。

(『鍼灸経穴名の解説(高式国)』『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』
『鍼灸集錦(鄭魁山)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』
『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』)
芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】



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