
【前腕前面。二頭筋長頭と短頭の間。腋窩横紋前端の下2寸取穴する】
靭帯には360を超えるツボがあり、加えて「奇穴」というイレギュラーなツボもあります。更に
正経のツボにも奇穴にも分類されない家伝のツボとか、昔の名人が発明したツボとか、なんなら
今でも新しいツボが発表されていたりします。そのため、わたしも人体にいくつのツボがあるのか、
正確なところは把握できていません。
つまり、知っていても使わないツボや、そもそも知りもしないツボもあるということで、『天泉』は
前者にあたるツボです。正直、使ったことがありません。

上地栄先生も、鍼灸素霊会編著の『経穴の使い方 鍼の刺し方』では筋肉痛に使う、くらいにしか
紹介していません。
一応、動悸や狭心症、肋間神経痛などに効果があるとされますが、『天泉』である必要があるのか、
といわれると…ちょっと…。
病理的には胸に籠った熱を清熱する作用があるので、胸満熱鬱の症状に用いるのですが、それなら
『郄門』や『内関』、『魚際』『労宮』などの方がよいように思います。

【主治・効能】
・腋下腫、上気、寒熱、眼のカスミ、臂痛、痎瘧。多くの場合瀉法がよい
・心臓病、心悸亢進、肋間神経痛、上膊内廉疼痛、肺充血、胸中熱、心下堅満、吃逆など
・心臓病、心悸亢進、狭心症、肺充血、胸中熱、胸膜炎、肋間神経痛、心下堅満、吃逆、脳貧血
婦人病による貧血、ノイローゼ、精神神経症
・心窩部痛、咳嗽、胸脇脹痛、前腕内側痛など
・筋肉痛の標治法に用いる。腕が重い時に軽減効果がある
(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』
『鍼灸集錦(鄭魁山)』『経穴の使い方・鍼の刺し方(鍼灸素霊会)』
『鍼灸経穴名の解説(高式国)』)