『天宗(てんそう)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

 【肩甲部。肩甲棘の中点と下角を結んだ線上、上から1/3の位置に取穴する】

 本穴は肩甲骨のほぼ真ん中に位置するツボで、棘下筋のほぼ中央ですから、五十肩肩こりに多用

されます。また、母乳の出が悪い時に強く刺鍼して刺激することで、分泌を促すことができるとされて

います。強く刺激するため、かなり痛いとのことです。やったことはないんですが。

 

 この、『天宗』という字の「天」は、ここでは鎖骨から肩甲棘の間の部分を意味します。僧帽筋の

ある所で、肩たたきしてもらうスペースですね。また「宗」はその根元をいいます。つまり「本」の

事ですから、合わせて「天の根本」という意味になり、肩甲棘の下方を指し示しています。

 

 【当院での経験】

 『天宗』は確かに名穴と呼べるツボです。五十肩のみならず、腕の神経痛手根管症候群などでも

よく用います。私も頚椎症胸郭出口症候群などの頚部の疾患にも多用しますし、広背筋を主体とした

腰痛にも効果的です。ただ、どの疾患についても『天宗』一穴で効果があるかといわれると、正直

微妙なところです。どちらかというと、『秉風』『曲垣』『臑兪などと協力して実力を発揮する印象が

あります。乳腺炎母乳分泌不全などでも足三里などと併用してこそ、効果的です。

 大概の場合、本穴が主治穴となる時は少し硬いシコリができて緊張しています。これを刺鍼するの

ですが、当院では指圧で少し時間をかけてほぐすようにしています。どちらにせよ痛みは強いのですが、

鍼では電撃痛が走ることもあるので、私は指圧で臑兪』『肩貞などと一緒に緩めるようにしています。

 また上地栄先生の『経穴の使い方・鍼の刺し方(鍼灸素霊会)』では狭心症にもよいと書かれています。

さすがに発作中に試したことはありませんが、胸部の疾患を患っておられる方は、その多くが天宗周囲に

強い緊張を示します。あくまで経験則ですが、当院では狭心症期外収縮、不整脈などの予防的措置と

して本穴は外せないツボになっています。

 

 【主治・効能】

肩凝り、特に疲れからの肩凝りによい

・主治は曲垣、秉風に同じ。

 風痛、風癆、息切など、風気の病を治す。肩臂熱痛肩甲の機能障害や拘急、痛悶などを治する

僧帽筋炎、肩甲部麻痺、上膊神経痛、尺骨神経痛

五十肩頚部・肩甲部疼痛、上肢神経痛、頭痛、頭重

・肩の痛み

肩甲部の痠痛、上肢の腫痛・麻痺・不随、前腕神経痛など

・狭心症、胸痛、肺水腫の水を抜く、母乳の出が悪い者、乳癌、五十肩

 

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』

 『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』『鍼灸集錦(鄭魁山)』

 『鍼灸経穴名の解説(高式国)』『慢性病の漢方・鍼灸療法(藤平健)』

 『経穴の使い方・鍼の刺し方(鍼灸素霊会)』)

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

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