『青霊(せいれい)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【心経。上腕内側。二頭筋の内側縁。膝窩横紋の上方3寸に取穴する】
鍼が下手なせいなのか、使う度に内出血させてしまうツボ、『青霊』が今回のテーマです。本穴は
肺経の『天府』や『侠白』などと同様、上腕動脈が近くにあるためか、内出血しやすいのです。
「青」という字は、「青春」や「青二才」のように幼い、熟成を経ていない、時間的に短いなどの
ニュアンスを持ちます。意味的には「朝」や「春」を指します。心経は『極泉』に始まって、最初の
ツボが本穴ですから、その意味で「青」の字を与えられたようです。

本穴を刺鍼することは、人に神気を奮い起こし、青陽の気を興す作用をもたらします。青陽という
のは、この場合は「朝」の意味ですから、精神的鬱屈、鬱病、ノイローゼのような精神不調に奏功
するとされます。が、あまり使われているとは言い難いのが現実です。私もほぼ使っていません。
とはいえ、上腕動脈の血流をよくすることで、逆上せがちになることを予防できます。精神不調は
頭部への血流が過剰となって密集(鬱)して発症することがありますから、決して無意味ではないと
思われます。ただ、無定見にとりあえず使ってみても効が薄いのは、鍼でも漢方でも同じでしょう。

一方、よく使われるのは上腕神経痛や尺骨神経痛、腫脹、発赤などの腕のトラブルです。上腕動脈の
血流不全を改善するわけですから、腕部の血流がよくなって神経や筋肉を栄養してトラブルを解決する
わけです。逆にいえば、虚血性疾患によく効く、ということでしょう。
古代の人は、このような効果を心経の作用として捉えていたのだと思われます。

(『鍼灸経穴名の解説(高式国)』『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『鍼灸集錦(鄭魁山)』
『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』『経穴の使い方・鍼の刺し方(鍼灸素霊会)』)
芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】


