『天容(てんよう)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【前頚部。下顎角の後方、胸鎖乳突筋の前方陥凹部に取穴する】
本穴は耳の下、顎と頚の間に取穴します。周囲には胸鎖乳突筋や顎二腹筋などがあります。
胸鎖乳突筋は『天窓』でも書きましたように、頚の筋肉で肩こり、首コリの原因になります。
一方、顎二腹筋はあまり聞かない名前の、マイナー感のある筋肉ですが、臨床的には結構重要です。
耳の直下から喉元にある舌骨、舌骨から顎の下に渡って伸びる筋肉ですが、この顎二腹筋が緊張すると
すぐそばを通過する頸動脈や迷走神経を圧迫してしまい、結果として耳鳴りやメマイ、自律神経症状を
誘発させることがあります。
小さな筋肉で、また施術もしにくいため見落とされやすいのですが、施術に成功すると治りにくい

【当院での経験】
私の場合、耳鳴りの方によく使います。『天容』は周囲に動脈が走行している関係で、禁鍼穴とされ
ていたり、深鍼は禁忌といわれています。位置的にも表面から浅く、マッサージでも届く程度の深さに
ありますから、深く刺す必要はないわけです。とはいえ、緊張をほぐして癒着を剥がすとなれば、
やはり刺鍼しないわけにはいきません。3分という指示があるので、まあ、1㎝程でしょうか。
うまく緊張が解ければ血流が再開するので、虚血性の耳鳴り(突発性難聴など)によく効いています。

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』
『鍼灸集錦(鄭魁山)』『鍼灸経穴名の解説(高式国)』)
芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】


