『聴宮(ちょうきゅう)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【顔面部。耳珠中央前縁と下顎骨関節突起の間の陥凹部に取穴する】
耳の直前に位置するツボですが、名前の通り耳の疾患によく用いられます。本穴の周囲には
『和髎』『耳門』『聴会』など複数のツボがありますが、これらの効果は、所属する経絡こそ違えど、
効果はほぼ同じで、やはり耳疾患が主となっています。
また、一説には本穴と『耳門』の位置は同じで、浅位は『耳門』、深位は『聴宮』と、その深さで
区別するともされます。

【耳鳴、難聴と聴宮】
耳鳴りや難聴で、治るかどうかの目安の一つに、耳自体に疾患があるかという点があります。簡単に
いうなら、炎症程度であれば、鍼で血流が改善できれば治癒は早まるかもしれませんが、鼓膜が破れ
たりしている場合だと、どうやっても鍼治療では再生しません。当たり前ですが。
たとえば聴覚の機能にとって非常に大切な役目を担う、3つの「耳小骨」というパーツがありますが、
これが脱臼を起こしてしてしまうと、耳内で異音を立てたり、聴覚異常を起こしたりします。これも
鍼では治りません。つまり、聴覚機能自体に関わる器質的損傷については、鍼灸は効果が薄いのです。

逆に側頭部や頚部、肩部の緊張による血流低下が原因の耳鳴りや難聴には、それらの緊張を取り除く
ように施術することで改善が見込めます。特に低音障害型感音難聴などには「耳孔灸」が効果的です。
「耳孔灸」は熱感が耳から頭の内部に伝わるため、脳ストレスの改善に効果的なお灸で、関西漢法
苞徳之会の顧問・福井仁照先生に教えて頂いたものです。急性の場合であれば、1~2回の施術で
改善することも珍しくはありません。

少し話が逸れましたが、『聴宮』や『聴会』『率谷』など耳の周囲のツボは、側頭部の筋肉を緩める
作用があります。普通は浅く置鍼しますが、施術の1、2回目のごく初期には2㎝ほど刺入することも
あります。独特の嫌な刺入感があり、一時的に耳鳴りがひどくなることもありますが、1~2日で
すっと収まります。初めのうちは変化を出すことが重要な局面もあるので、このような強い鍼を打つ
こともあるのです。

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』
『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』『鍼灸集錦(鄭魁山)』
『慢性病の漢方・鍼灸療法(藤平健)』『経穴の使い方・鍼の刺し方(鍼灸素霊会)』)
芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】


