『聴会(ちょうえ)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【胆経。面部。珠間切痕と下顎骨関節突起の間の陥凹部に取穴する】
耳鳴りや難聴といった耳疾患の主役が本穴『聴会』です。他に額関節炎にも使われます。
本穴の刺鍼は三分(1㎝)程度とするものから、一寸五分(4.5㎝)程を推奨するものまで幅が
ありますが、どちらにせよ少し深く刺す必要があるようです。耳の外耳道は成人で大体3.5㎝ですから、
さすがに一寸五分は入れすぎなようにも思えます。ただ、意外と深く刺すことが施術に必要なツボだと
いうことが見て取れます。

【当院での経験】
耳鳴りの方にはよく使うツボです。『聴会』単体では効果は薄いように感じますが、独特の刺入感が
あるため、固まって動かない症状に対して、変化を促す意味合いでよく使います。黒船が明治維新を
促したような感じです。
深度は一寸(3㎝)ほどで、それも最初だけです。途中からは1㎝程度にして、身体への負担を軽く
するのがよいと思います。多用し続けると、時に耳鳴りが悪化することもあるので注意して用います。

当院では脳神経の興奮に由来する精神緊張、首や背中の筋肉の緊張が原因で発症した耳鳴りには必ず
使うツボです。耳鳴りは耳の器官の故障によるものや脳の器質異常によるものは治癒効率が悪いのですが、
筋緊張や神経興奮によるものの改善効率は結構高い疾患です。
その時、施術初期に使うのが本穴です。先にも述べたとおり、変わりそうにない疾患に揺さぶりを
かけるような意味合いで、症状が落ち着くまで使います。安定してさえしまえば、浅く刺すか、もしくは
マッサージのみで対応しています。
あとは側頭部や頚肩部、上腕、前胸部などの緊張を弛めるように施術してゆくと、緊張や興奮による
耳鳴りは数回で症状が緩和されます。

【本穴の取り方】
『聴会』は『耳門』『聴宮』と、耳の穴の前方に縦に並ぶ三兄弟のようなツボです。耳に疾患のある方の
場合、およそこれらのツボが硬く緊張しています。そしてこれらのツボを深く押すと、奥に空洞があるのを
指で感じることができますから、これをツボだとして刺鍼します。
その意味では、少なくとも私は、三兄弟を明確に区別して用いているというわけではありません。

(『鍼灸経穴名の解説(高式国)』『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』
『鍼灸集錦(鄭魁山)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』
『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』)
芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】


