🍵清肺湯(せいはいとう)【ツムラ90】

 

 

甘草(甘平)、黄芩(苦平)、桔梗(辛微温)、陳皮(辛温)

当帰(甘温)、貝母(辛平)、桑白皮(甘寒)、天門冬(苦平)

山梔子(苦寒)、杏仁(甘温)、麦門冬(甘平)

五味子(酸温)、生姜(辛温)、大棗(甘平)、竹筎(苦平)

 

 気管支炎など、ひどい咳でよくお世話になる『清肺湯』をご紹介します。

 本方には数種類の処方があるため、ここでは一番有名だと思われる『万病回春(龔廷賢)』の処方を

参考にして解説しています。

 この『万病回春』では「痰嗽者、嗽動便有痰聲、痰出嗽止是也、嗽而痰多者、是牌虚也」と解説されて

います。およそ、「痰が絡んで咳をし、痰が喀出されると咳も止まる特徴がある。痰が多く、咳をするのは

脾虚によるものである」くらいの意味になります。

 東洋医学上では、「痰」という病理産生物は脾(消化器系)の不調によって発生し、肺に溜まるとされ

ます。その為に「脾虚(機能低下)である」と書かれているわけです。「甘草」「生姜」「大棗」が配合

されているのは脾胃を回復させるためでしょう。

 この脾虚のために発生した「虚熱」が肺の熱となって痰を乾かし、咳を誘発しているのです。これを

明治の漢方家・浅田宗伯は「此方ハ痰火咳嗽ノ薬ナレドモ、虚火ノ方二属ス 。(中略)肺熱アリテ、兎角

セキノ 長引タル 者二宜シ」と解説しています。「虚火」とは「虚熱」のことです。

 つまり、痰が多くて咳が続く者によい。それは肺に熱があるのだが、その本質は脾胃の不調である。

といった感じでしょう。

 

 では、よく似た症状に用いる麦門冬湯とは、なにが違うのでしょうか。

 両方ともに肺熱があって痰が絡み、咳が出るという大筋は同じなんですが、端的にいえば痰が多いなら

『清肺湯』、少ないなら麦門冬湯になります。

 もう少しいうなら、麦門冬湯は水分が極端に少なくなっているために、大塚敬節先生は皮膚乾燥が

あると書いておられます。また、ノドがヒリヒリしたり、発作的な強い咳が特徴になります。つまりは

「乾燥」がテーマである方剤だといえます。その為、痰は少量で強く粘ります。

 一方、『清肺湯』「熱」をテーマとします。水分の減少はあるものの、麦門冬湯ほどではなく、

痰も多く、熱のために粘りも強くなります。「黄芩」や「山梔子」で熱を取り除くよう配慮されています。

逆に麦門冬湯は「麦門冬、半夏、甘草、大棗、人参、粳米」などで構成され、脾胃を回復させ、熱が

上衝するのを押しとどめるように設計されています。「石膏」などの熱を冷ます性質の生薬は配合されて

いません。「乾燥」が原因ですから、潤わせる「麦門冬」が主役になるよう考えられているのです。

 また、「虚熱」よりも強い「実熱」を帯びた痰があって、胸が痛むなら『栝蔞枳実湯』がよいでしょう。

 

 【適応疾患】

・気管支炎、呼吸困難

・気管支喘息、咳、喀血、気管支拡張症、肺化膿症、慢性副鼻腔炎、咽喉痛

・気管支炎、咽・喉頭炎、気管支拡張症、肺気腫、気管支喘息、肺炎、肺結核

芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

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