『漏谷(ろうこく)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【脾経。下腿内側。内果尖上方6寸、脛骨内縁の後際に取穴する】

 三陰交の少し上に位置するツボが、本穴『漏谷』です。あまり有名なツボでありませんが、臨床的には

重要なポイントになります。

 効能としては消化管の不調によく効くとされ、その延長で糖尿病(消渇)にも応用されるようです。その

意味では婦人科疾患の名穴三陰交とは差別化されているといえますが、当院では高血圧膝痛、足首の

痛みや動作不良に用いる点では、同様の扱いをしています。

 これはどちらの経穴も、深部に後脛骨筋や長趾屈筋といった、足部の底背屈に関与する筋肉が走行するため、

意味的にほぼ同様の効果があるとみているからです。つまり、構造的に筋肉が癒着しやすい場所が三陰交

であり、『漏谷』であるわけです。

 

 では、どれくらいの深さに刺鍼すべきなのでしょうか。押手を深くして、硬結部にできるだけ近づいてから

弾入する程度でよいとも聞きますが、『漏谷』は文字通り「谷」であり、それはつまり脛骨と腓骨の間を「谷」

と呼んだ、と『医宗金鑑』という書物にあるそうです。

 ともすれば、相当深く刺さなければ『漏谷』には届かないものと思われます。当院でも後脛骨筋、長趾屈筋

といった下腿部の筋肉を意識して、2㎝ほど刺入しています。下腿の血流が回復することで、坐骨神経痛からの

痺れ感や痛みの改善が期待できますし、足の浮腫み冷えを取り除き、足関節の底背屈がスムーズになることで

変形性膝関節症の痛みを緩和する効果も見込めます。

 

【主治・効能】

・腸鳴、逆気、痃癖、冷気在腹、膝痺など

・肌肉の疾病(日々衰弱を来たす慢性流行感冒など)。消化↓、腸雷鳴、脚気+歩行困難

脾胃疾患を主る。消化↓、胃酸過多、胃痙攣、胃潰瘍、腸疝痛、腹痛、下痢、腸雷鳴
 筋肉痛、リウマチ、脚気、半身不随、下肢麻痺、食しても日々衰弱する病

・腸鳴、腹脹、下肢の腫痛・麻痺、脚気など

・出血、糖尿、胃拡張

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』

 『鍼灸集錦(鄭魁山)』『鍼灸経穴名の解説(高式国)』

 『経穴の使い方鍼の刺し方(鍼灸素霊会)』)

               芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

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