『三陰交(さんいんこう)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【脾経絡穴。下腿内側。内果尖上方3寸、脛骨内縁の後際に取穴する】
おそらくもっとも有名なツボの一つ『三陰交』が今回のテーマです。その名の示す通り、足の三陰経
(脾・腎・肝経)が交わるポイントです。そのため、不妊治療でよく用いられ、禁鍼穴とされています。
これは例えば『鍼灸聚英』という本では、「陰」は血、「陽」は気を意味するため、三陰経が会合する
『三陰交』は優しく扱い(補)、対になる陽経の大腸経『合谷』は少し粗雑に扱って(瀉)、バランスを
取るのがよいと紹介されています。鍼は基本的に「瀉」の属性ですから、こうした陰陽の扱い方をベースに
して、本穴は瀉さない方がよい、つまり鍼は不適であるとされるわけです。


ではなぜ『三陰交』に流産の作用があるとされているのでしょうか。流産のみならず、高血圧(特に
本態性高血圧の一部)にも極めて効果的です。こうした、下方向への力を働かせるのは、下腿の内側に
ある後脛骨筋が関与しているものと思われます。正確には長趾屈筋や長母指屈筋など、似たような走行を
取るいくつかの筋肉です。

これらの筋肉は、下腿内側で、脛骨(向こう脛)の際を走行します。このラインがちょうど脾経にあたる
のですが、『三陰交』周辺でよく硬くなっています。これは筋肉、神経、血管の動きが悪くなっており、
癒着したような状態になっているため、血行不良を起こす原因となっているのです。この癒着状態を鍼で
深く刺して解消することで、滞っていた血流を一気に押し流して、循環を改善して高血圧を解消、または
堕胎を誘発するのだと思われます(関西漢法苞徳之会・会長大西宏治先生講義より)。

古典鍼灸といえば、魔法のように不可思議な世界と思われがちですが、それは「陰陽虚実」によって
さまざまなものを分類して理論化し、説明可能なものにしようとするからです。2000年前の当時は
科学が未熟で、解剖も不十分、生理も未解明なままで、あらゆる病に立ち向かわねばならなかったため、
不足があっても体系化して応用し、後世に伝える必要があったのです。
しかし、人体に施術するという意味では西洋も東洋もなく、太古の昔でも今現在でも同じです。本当に
効果のあるツボや施術には、人間の摂理に適う意味や理由があるのです。

【主治・効能】
・血分と関係のある三陰経に属する症状に用いる。当帰のようなもの。
経血、胎産・子宮、精室と関連する諸証に用いる
・慢性胃病、食欲↓、消化不良、胃酸↑、腸疝痛、下痢、特発コレラ、四肢病
月経過多、子宮出血、交接過度、胎動横産後の諸病
・婦人科疾患、生殖器疾患を主る。月経不順、子宮出血、胎動、横産、遺尿、陰萎
・血暈して人事不省となるような、経脉巡らざるものには、本穴を補う
・月経閉止、子宮充血などのような経脉閉塞して通じざるものには、瀉して血気を通じる
・食欲↓、消化不良、胃酸↑、腸疝痛、下痢、下腹部厥冷、下腹鼓脹、腎疾患
尿道炎、四肢倦怠、下肢厥冷、下肢内側頭痛、湿気下し
・不眠、脱腸、消化不良、遺精、泌尿器系の病、月経痛、引産、乳汁過少
こしけ、子宮下垂、半身不随、腹の張り、下腹痛
・心窩部痛、腹脹、消化不良、腸鳴、溏泄、黄疸、消渇、眩暈、失眠、インポテンツ、滑精
疝気、遺尿、血尿、小便不利、水腫、蕁麻疹、陰部腫痛、神経衰弱、高血圧、癥瘕、月経痛
閉経、子宮出血、帯下、月経不順、子宮脱、後産困難、下肢の腫痛・不随、脚気など
・足首から先の冷え。婦人科疾患には施灸5~7壮。妊娠中の病気や下肢浮腫の予防、子宮内膜炎
(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』
『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』『鍼灸集錦(鄭魁山)』
『鍼灸経穴名の解説(高式国)』『経穴の使い方鍼の刺し方(鍼灸素霊会)』)
芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】
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Torrance, CA 90101
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