『瘈脉(けいみゃく)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

 【三焦経。頭部。乳様突起中央。『翳風』『角孫』の曲線上、『翳風』から1/3に取穴する】

 小児の疳虫(ヒキツケ)に使われるツボ、『瘈脉』が今回のテーマです。

 本穴は耳の裏にあるツボで、難聴耳鳴りなどに対し、圧痛を確認して選穴します。この耳の後ろのライン

には前回の翳風に始まり、『瘈脉』『顱息』『角孫』などの経穴が等距離に配置されます。そのため、

圧痛や陥凹を目安にして選穴することが多く、教科書通りに取穴することはほぼありません。

 『瘈脉』は小児の軽度トラブルに使われるほか、脳充血、癲癇、脳膜炎のような重症症状にも効果的です。

とはいうものの、私にしても難聴耳鳴り頭痛のような側頭部の緊張によって誘発される疾患に対して配穴

する程度で、そう頻繁に使うツボではないというのが実情です。

 

 【解説】

 本穴については『鍼灸聚英』『黄帝内経明堂』などの古典書籍で言及されていて、どの書籍にもおよそ

「銅人刺出血如豆汁不宜多出」とあります。これは「豆汁のように出血させよ。ただし出し過ぎはいけない」

くらいの意味になります。つまり刺絡で1~2滴ほど、小豆大の出血をさせると効果的だということです。

 

 胆経や三焦経は「少陽経」というグループになるのですが、少陽経の異常は自律神経と関連する症状が

多くイライラ、易怒、煩躁、焦燥などが該当し、歯軋り動悸高血圧といった症状を発症します。

こうした性格の人は少陽経が緊張して引っ張られるため、眼が細く引き攣り、耳は側頭部に引っ付いた状態

になり、余裕のない緊張した表情をしがちです。

 東洋医学ではこのような人を肝虚熱証、肝虚胆経熱証などと分類しますが、側頭部~頚部(胸鎖乳突筋)

の緊張が強く、血流停滞を招いて熱を持ちやすいため、耳鳴り頭痛、癲癇といった頭部の疾患を誘発し

やすいとされるのでしょう。だからこそ、停滞する血流を刺絡で瀉血して、流してやるとよいわけです。

まあ、あまり使わないんですが。

 

 【主治・効能】

・驚風癲癇の発作時、三焦の火が盛んな時、青紫色に変色する。耳が焼けて赤くなる。多方面に効能有

・頭痛、耳鳴り、脳充血や小児脳膜炎(驚風)による瞳孔不全、吐乳、夜啼き

 (深刺は禁忌。深部に迷走神経が走行するため)

・頭痛、脳充血、脳膜炎、驚風、癲癇、小児痙攣、眼充血、耳鳴り、吐乳、夜啼き、耳痛、眩暈

・頭痛、眼充血、かすみ眼、耳鳴り、耳聾、小児のヒキツケなど

(『鍼灸経穴名の解説(高式国)』『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』

 『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』 『鍼灸集錦(鄭魁山)』)

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

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