『天牗(てんゆう)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

 【三焦経。前頚部。下顎角と同じ高さ。胸鎖乳突筋の後方陥凹部に取穴する】

 本穴は頚部のツボです。そのため寝違えムチウチ、頚肩腕症候群によく用いられます。ただ、寝違え

は症状の現場こそ首ですが、原因そのものは肩~上腕、後頭~側頭部にあることも多く、首そのものへの

施術だけでは意味が薄いように思います。

 反面、単純な首こりには効果が高く、うまくすればかなりのスッキリ感があります。『百労』『天柱』

風池などと組み合わせることで、対症療法としてかなりの施術効果があります。まあ、「治す」という

ベクトルの施術ではないので、そこは要注意ですが。

 ほかに脳充血頭部の炎症などにもよく用いられています。「牗」という字には「窓」の意味があります

から、『天牗』というのは天に通じる窓という意味になります。頭に血が上ってトラブルが起きている時に

首の窓を鍼で開けば、上っていた血が下り、トラブルは解決するというわけです。

 

 本穴の位置するところにある胸鎖乳突筋は、耳の下にある乳様突起という部分から鎖骨にかけて走行

する筋肉です。猫背などに由来する頭部の位置異常によって過緊張を起こし、そのために鎖骨の上方転移を

誘発します。これが頚肩腕症候群の遠因となることもあります。スマホ依存やパソコンの長時間使用が

肩こり、首こり、巻き肩を誘発し、頚肩腕症候群へとたどり着くのは、この胸鎖乳突筋が大いに関与して

いるのです。そうした意味で本穴『天牗』は、現代病にとって非常に大きな意味のあるツボだといえます。

 

 【主治・効能】

・頭、面、耳、目、頚、項の諸疾によい

・頚板筋、胸鎖乳突筋の痙攣(項強張り+回顧不能)、顔色蒼然、睡眠中に転倒する夢を見る。
 眼中痛み、耳聾、歯痛、顔面浮腫。脳充血に瀉血

・頚肩腕症候群、寝違え、ムチウチ、眼痛、耳聾、歯痛、顔面浮腫。
 脳充血、頭部の腫れ・炎症には瀉血がよい

頭暈、顔面浮腫、耳鳴り、耳聾、眼痛、喉頭痛、項頚部強張り+痛む、肩背痛など

眩暈、メニエル病などには浅刺置鍼

(『鍼灸経穴名の解説(高式国)』『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』

 『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』『鍼灸集錦(鄭魁山)』

 『経穴の使い方・鍼の刺し方(鍼灸素霊会)』)

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

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