『本神(ほんじん)』 【芦屋・西宮 鍼灸香春】

 【胆経。頭部。正中線の外方3寸、前髪際の後方5分に取穴する】

 「神」という字が含まれていますから、まず重要なツボだということは分かっていただけると

思います。東洋医学上で「神」は “カミ” ではなく、“シン” と読みます。意味は、多くの場合、

人間の意識や精神、脳機能などを指します。そういった、昔の科学では理解されなかった不可思議な

機能や作用を総括して「神」と定義していたようです。

 その「神」に影響するツボということで『本神』と命名されているのが本穴になります。

 また、「神」が宿るのは、人間の場合は眼だとされ、手足の三陽経の経絡も眼に集まるように

なっています。そのため、「神」に影響する本穴は眼疾患に効果的です。主に頭臨泣』『目窓

正営』『承光』などと併用します。

 それ以外にも、人事不省健忘、癲癇、半身不随、めまい、脳充血にも有効ですから、意識や

脳機能のトラブル全般に有効なツボだといえます。

 当院でも、ノイローゼ鬱病、ストレス性疾患などでよく用いています。どちらかというと

気力が出ず、やる気が起きないといったタイプの方によく効いています。反対にイライラしたり、

神経質だったりするタイプの方にはあまり向いていないように思えます。

 こうした問題は鍼の「補瀉」という技術で適応できるのかもしれませんが、そもそも本穴の性質上、

過敏型の方には適していないのかもしれません。

 

 【主治・効能】

・脳に内応し、意識に関連する諸病(驚癇、癲風、神不帰本など)を治す。健忘、不眠眩暈などによい

・頭痛、眩暈頭項強硬、半身不随、癲癇、涎沫を吐する

・頭痛、脳充血、眩暈、癲癇、眼疾患、三叉神経痛、顔面神経麻痺、涎沫を吐する

・頭痛、目眩物がはっきり見えない、癲癇、中風昏迷、小児ヒキツケなど

(『鍼灸経穴名の解説(高式国)』『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』

 『鍼灸集錦(鄭魁山)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』

 『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』)

芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

 

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