『輒筋(ちょうきん)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

 【胆経。第4肋間。中腋窩線前方1寸に取穴する】

 脇腹にあるツボです。腋の下のくぼみを真っ直ぐ第4肋間まで下り、その1寸(2~3㎝)前方に取穴

します。だいたい乳頭と同じ高さになります。

 肋間部には前鋸筋や肋間筋といった筋肉があり、これらが柔軟であることで、胸郭はアコーディオンの

ように伸び縮みできるようになります。逆にいうとこれらの筋肉が硬くなってしまうことで胸郭の可動性が

失われてしまいます

 胸郭の硬直は、浅呼吸、胸苦しさ、肋間神経痛、頚部痛、寝違え、腰痛五十肩などの誘因となります。

 

 【当院での経験】

 五十肩でも、痛くはないけど重だるくて挙上できないといった方の場合、補中益気湯などが適応する

エネルギー不足のケースと、肋間筋などが固まってしまったというケースがあります。

 芦屋市の、ある高齢男性の場合がこうしたケースでした。随分昔に五十肩を患ったとのことでしたので、

最初はてっきり肩部の拘縮だと早合点して施術していました。確かに少々は改善するので希望を感じて

続けていたのですが、3回目を終えても改善効率が悪く、私もやっと、これは少しおかしいと考えました。

 五十肩の既往があるのは間違いないのですが、直接的な原因ではないのではないかと脇腹を押圧してゆく

(切診)と側胸部で硬くなって、圧痛の特に強い部が見られました。チェックしてみると深呼吸ができず、

胸が詰まるとのことで、これは五十肩というより肩こりに近いなと認識を改め、胸郭を弛めるように『輒筋』

『淵腋』などに、ほんの少し深めに置鍼して、ごく弱い響きを感じさせ、徳島の大上勝行先生に教えて

頂いた『章門』へお灸を据えました。

 同じような施術を2回ほど行うと、側胸部の硬さがとれ、胸郭に動きがでるようになりました。すると

嘘のように腕が上がるようになり、肩頚に感じていた重だるさも消えたとのことでした。

 だた、同様のケースでも、巻き肩になっている場合は小胸筋や二頭筋の近況と拘縮があることも考え

られるため、この場合はやはり相応の処置が必要です。

 

 【主治・効能】

・胸中暴満、横臥不能、太息、善く悲しむ、小腹熱、多睡、言語不正、四肢不収、呑酸、欲走、嘔宿汁

・嘔吐、呑酸、下腹鼓脹、四肢不随、ヒステリー

・喘息、咳嗽、呼吸困難、肺炎、気管支炎、肋間神経痛、胸膜炎、嘔吐、呑酸、下腹鼓脹、下肢外側痛

・胸満、脇痛、気喘、嘔吐、肋間神経痛など

 

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』

 『鍼灸経穴名の解説(高式国)』『鍼灸集錦(鄭魁山)』)

芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

 

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【はり灸専門】

芦屋市大原町の鍼灸院。JR芦屋駅より徒歩6分。東洋医学(鍼灸、漢方)で、首コリ、肩コリ、五十肩、腰痛、ぎっくり腰、膝痛、季節の不調、自律神経失調症、頭痛、耳鳴、めまい、鬱、不眠などに対応します。芦屋、西宮、東灘、灘区、神戸、宝塚などで鍼灸院をお探しの方へ。

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