『五枢(ごすう)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【胆経。下腹部。臍中央の下3寸。上前腸骨棘の内方に取穴する】

 ツボの位置を文字にしてみると分かりにくいですが、維道の内下方に取ります。その位置が

臍の下3寸から外方へ延長線を引いた所だということです。

 本穴『五枢』は名前の由来が面白く、頓智が効いています。「枢」は真ん中という意味ですが、「五」も

数字の真ん中だというので、合わせて『五枢』となります。その名の通り、腰を曲げる時の谷折り線上に

位置するツボです。

 場所的には維道とさして変わりませんが、本穴はより内側にあるため、泌尿器、生殖器、内臓系に

対して有効で、腸疝痛、睾丸炎、膣炎、鼠経ヘルニアなどに効果があるとされますが、一方で腰痛、下肢痛、

股関節痛などの運動器疾患にも適応します。

 

 【当院での経験】

 『五枢』便秘によく使っています。位置的に大腸の上にありますし、腸骨動脈系の血液循環を改善して

お腹を温める効果があるので、同様の作用がある維道と併用して腸蠕動を誘発するようにして用います。

確か米山博久先生の著作だったと思いますが、『五枢』あたりで硬くなっている所(便の詰まっている所)に

刺鍼して、腸鳴を誘発すると排泄を促せると書かれていたので、試しに用いてみたところ、次の日に便通が

あったとのことでした。

 しかし、1回ではただの偶然かもしれないので、11名の方に約60回試してみたところ、20回の便通が

ありました。ただ、2名の方には1度も成功せず、3名の方は約50%の確率で成功し、9回の便通があり

ました。残りの6人の方は、少し確率にばらつきはありましたが、3回に1回くらいの割で便通があったよう

です。成功しやすい3名の特徴に共通点は見られませんでしたが、成功しなかった2名の方は寒性便秘の方

でしたから、弛緩性の便秘には効きにくいのかもしれません。

 2名のうち1名は虚弱型で、小建中湯で便通がついたのですが、もう1名の方は改善できませんでした。

 

 【主治・効能】

・寒疝、卵縮、小腹痛、裏急、瘛瘲、帯下など

・泌尿器疾患を主る。冷気より来る胃痙攣、腸疝痛、腰痛、睾丸炎、鼠経・陰嚢ヘルニア、子宮疾患、赤白帯下

腰痛を主る。下肢疼痛一切、胃疾患(胃潰瘍、胃炎など)、腸疝痛、淋疾、睾丸炎、膣炎、赤白帯下

 生殖器疾患(子宮後屈など)、泌尿器疾患(尿道炎、膀胱炎など)

・疝気、腹痛、便秘、腰部・股関節の痠痛、赤白帯下など

 

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』

 『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』)『鍼灸経穴名の解説(高式国)』

 『鍼灸集錦(鄭魁山)』『慢性病の漢方・鍼灸療法(藤平健ほか)』)

 

芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

 

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【はり灸専門】

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