『環跳(かんちょう)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

【胆経。臀部。大転子頂点と仙骨裂孔を結ぶ線上、大転子頂点から3分の1の所に取穴する】

 今回は坐骨神経痛腰痛膝関節炎などの疾患には欠かせない『環跳』です。昔の書籍をあさっていると

脚気にも使っていたようで驚かされますが、特に面白いのは猩紅熱麻疹にも有効とされている点です。

 これらの病は熱を原因としますから、少陽の熱と判断して本穴を治療穴と考えたのでしょう。ただ、

それなら臨泣丘墟でもよかったはずなので、それがなぜ『環跳』なのかは不明です。

 

 【当院での経験】

 開業当初に来られていた坐骨神経痛の方がおられましたが、そのとき使っていたのが、この『環跳』

でした。この方は臀部が特徴的で、患側のお尻だけがペコっとへこんでいる感じで、極端な筋力不足が

痺れ感の原因だろうと本穴と『五枢』『維道』のような鼠径部のツボなどを用いて、都合3回ほどで

ほぼ改善したのでよしとしていました。

 それ以降、あまり深くは考えていなかったのですが、先日の勉強会で関西漢法苞徳之会・大西宏治

会長の実技講義でハッキリしました。

 これ、内腸骨動脈の狭窄による虚血性疾患なんです。内腸骨動脈は鼠径部を通過して臀部に分布して

いるので、これが狭窄されると血流が低下して筋肉が萎み、慢性化すると筋肉が栄養されずに衰えます。

これによって立位が維持できず、また神経を圧迫して坐骨神経痛となります。

 大西先生の実技では、施術してすぐに臀部のへこみがふっくらと改善していたので、施術目標を明確に

設定しておくことで、場合によっては坐骨神経痛でも早期の改善が見込めると思います。

 

 【主治・効能】

・脚気、半身不随、腰臀及び大腿部の筋炎、坐骨神経痛、膝膕関節炎を治す。水腫病、猩紅熱、麻疹など

腰痛坐骨神経痛膝関節炎、下肢外側痛、脚気、半身不随、腓腹筋痙攣、下肢麻痺、腸疝痛

 子宮痙攣、胃炎、胃痙攣、痔疾、脱肛、肋間神経痛、肩背部疼痛五十肩、頚肩腕症候群

・腰部・大腿部痛、半身不随、坐骨神経痛

腰部・股関節の痠痛、蕁麻疹、風寒湿痺、腰部諸関節の炎症、坐骨神経痛、下肢の腫痛・麻痺・不随など

・リウマチ、鼠径部痛、坐骨神経痛、冷えからくる陰痛、婦人科疾患、子宮の故障など

・半身不随、腰胯痺、偏風、脚気などを治す。機能を通じさせる効能がある。

 

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』

 『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』)『鍼灸経穴名の解説(高式国)』

 『鍼灸集錦(鄭魁山)』『経穴の使い方・鍼の刺し方(鍼灸素霊会)』)

芦屋・西宮 鍼灸 香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

 

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【はり灸専門】

芦屋市大原町の鍼灸院。JR芦屋駅より徒歩6分。東洋医学(鍼灸、漢方)で、首コリ、肩コリ、五十肩、腰痛、ぎっくり腰、膝痛、季節の不調、自律神経失調症、頭痛、耳鳴、めまい、鬱、不眠などに対応します。芦屋、西宮、東灘、灘区、神戸、宝塚などで鍼灸院をお探しの方へ。

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