
【胆経。膝外側。大腿二頭筋腱と腸脛靭帯の間の陥凹部。大腿骨外側上顆の後上縁に取穴】
または『足陽関』とも『寒府』ともいいます。「府」という言葉は「集まる、集う」といった意味が
ありますから、「寒のあつまる所」といった意味です。そのため、膝が冷えて痛むような時によく用い
られますが、膝の関節炎にも使いますから、膝の痛みや運動障害一般を取り扱うツボだといえます。
【当院での経験】
当院では大腿膝蓋関節炎、膝関節炎の方によく使っています。
座るのは大丈夫でも、立ち上がる時に膝が痛むという高齢女性が来られたことがありました。冬場に

特に痛むらしく、他院では変形性膝関節症と診断されたとのことでした。ただ、O脚気味で、膝蓋骨の
動きが悪かったので、大腿膝蓋関節炎の可能性もあると考えて、大腿四頭筋、腸脛靭帯の緊張を除くよう、
『膝陽関』『犢鼻』『風市』、上前腸骨棘周囲へ少し響きが出る程度に刺鍼しました。2週間に3回来院
していただいて、屈伸に不自由がなくなりました。冷えるとやはりまだ痛みがあるようですが、それでも
7割方痛みがとれたと喜ばれました。中腰の姿勢を取れるようになったとも仰っておられましたが、筋力が
増したわけではありませんから、これは想定外の効果というべきでしょう。

【主治・効能】
・風痺膝痛による屈伸不能などに用いる。
・膝関節炎、下肢外側の麻痺、坐骨神経痛、半身不随、リウマチ
・膝関節炎、脚気、下肢外側疼痛、坐骨神経痛、半身不随、下肢冷感、リウマチ、腰腹部冷感
・膝関節痛
・膝部赤腫、疼痛、拘攣、下肢冷痛・麻痺、半身不随、膝部腫痛
・関節虚弱。階段が上れず、立てないなら施灸。陽陵泉との併用がよい。
(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』
『鍼灸臨床取穴図解(小野田正、池田久衛)』『鍼灸経穴名の解説(高式国)』
『鍼灸集錦(鄭魁山)』『経穴の使い方・鍼の刺し方(鍼灸素霊会)』)
芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】
芦屋市大原町の鍼灸院。JR芦屋駅より徒歩6分。東洋医学(鍼灸、漢方)で、首コリ、肩コリ、五十肩、腰痛、ぎっくり腰、膝痛、季節の不調、自律神経失調症、頭痛、耳鳴、めまい、鬱、不眠などに対応します。芦屋、西宮、東灘、灘区、神戸、宝塚などで鍼灸院をお探しの方へ。
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