『外丘(がいきゅう)』【芦屋・西宮 鍼灸香春】

 【胆経絡穴。下腿外側。外果尖の上方7寸。腓骨の前方】

 下腿の外側にある腓骨の前縁ラインには、下から懸鐘』『陽輔』『光明と並び、その少し上に

本穴『外丘』が位置します。

 左の図では本穴と『陽交』の位置関係が逆になっています。昔は反対で正しかったのかもしれませんが、

現代では教科書的に間違いです。

 ともあれ、これらの4穴は位置的に近しいため、効果も似通っています。およそ、所属する胆経の熱が

肩や頚、頭へ逆上せるのを引き下げる作用が下肢の胆経経穴にあるため、自然と主治症も似たようなもの

になるのです。

 

 【外丘の効用】

 頭痛ムチウチ、寝違え、坐骨神経痛などに効果があるのは、胆経の熱の逆上せを引き下げる作用が

あるからで、発症原理が同じであるめまい不眠にも当然効果が予想できます。

 頚肩腕症候群にも効果があるのは、その原因の一つに巻き肩+猫背があるためです。巻き肩は胸部の

小胸筋などによって肩部が内向きに引っ張られて発症し、パソコン作業などで猫背になると更に悪化

します。胆経は腰背部の緊張を調整する作用がありますから、その熱を抜けば緩み、気を巡らせれば補強

することができます。有り体にいえば背筋を伸ばす効果があるわけですから、頚肩腕症候群にも有効と

されているのでしょう。ちなみに胆経の力が強すぎる人は、逆に過剰に胸を張って反り腰になりがちです。

 あと面白いのは狂犬病です。興奮、幻覚、錯乱といった症状があることから、胆経の主治と判断されて

いるのでしょう。ただ、私もさすがに経験がありませんが、効果のほどは思わしくはない筈なので、

必ず病院へ行くことをお勧めします。鍼灸、漢方の適用ではありません。

 胆経には発散作用があるため、皮膚病にも用いられます。胆経の熱によるものに効果がありそうですが、

逆にじくじくした湿っぽいアトピーにも、胆の属性が風なので有効でしょう。ただ、皮膚トラブルには

漢方の方が有効ですし、局所的な鍼も欠かせません

 

 【主治・効能】

・頭項痛、胸脇痛を主治する。狂犬病者に施灸すると、胆の効果を向上する

・光明に同じ。皮膚病。狂犬病犬に咬まれて排毒できず発熱悪寒する者によい。腓腸筋痙攣

 腓骨・腓骨神経痛、外踝以下の趾骨に至る組織炎、脚気、癲癇、頚項部の神経痛、小児の亀胸

・皮膚病の主治穴。頭痛、癲癇、頚項部疼痛、頚肩腕症候群、ムチウチ、寝違え、肋間神経痛、胸膜炎

 胆石疝痛、胆道炎、狂犬病、坐骨神経痛、脚気、半身不随、下肢外側疼痛

・頚項強・痛み、胸脇脹痛、坐骨神経痛、大腿部の痛み・麻痺・不随、脚気

 

(『鍼灸孔穴類聚(松元四郎平)』『経絡経穴の近代的研究(濱添圀弘)』

 『鍼灸集錦(鄭魁山)』 『鍼灸経穴名の解説(高式国)』)

芦屋・西宮 鍼灸香春(こうしゅん)【JR芦屋徒歩6分】

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